人工甘味料を摂取すると太る?その理由は?

コラム


 ゼロカロリーや糖質ゼロ食品が増えてきた昨今。ダイエットの強い味方として利用している人も多いのではないでしょうか。それらの食品のほとんどに人工甘味料が使用されています。人工甘味料はカロリーがないことで知られていますが、実は太るリスクがあるともいわれているのです。

人工甘味料とは

 人工甘味料とは、その名の通り甘みをつける甘味料を人工的に作ったものです。甘味がありますが、ほとんどの人工甘味料はゼロカロリーです。その理由として、身体に糖類だと認識させないように作られているからです。
 通常糖質を摂取すると、インスリンというホルモンが分泌され、各細胞にエネルギーとして配布していきます。過剰な糖質は脂肪として蓄えられるわけですが、人工甘味料の場合は身体が吸収しないためそのまま排出され、カロリーは実質ゼロになります。

人工甘味料の種類

 現在日本とアメリカで認可され使用されている人工甘味料は、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテームの5種類があります。砂糖の数百倍も甘味が強く低コストで済むため、2000年以降に急速に広まりました。
 アスパルテームの甘さは砂糖の160~220倍、スクラロースは600倍、ネオテームは約7000~1万3000倍とも言われています。このような人工甘味料は、中毒になる危険性も指摘されており、サッカリンはコカイン以上に中毒性が高いことがわかっています。

人工甘味料が太る4つの理由

①インスリンの働きが悪くなる

 人工甘味料を摂取すると、インスリンの働きが悪くなる可能性があります。これは継続して摂取し続けた場合に起こりうる現象です。
 インスリンは糖質を摂取したときに、各細胞へエネルギーとして配布する役割がありますが、人工甘味料の場合は糖質として反応しないため、インスリンは働きません。しかしこれが続くと、本当の糖質が入ってきたときに糖質だと反応する機能が鈍くなり、働く必要がないと勘違いしてしまいます。その結果エネルギーに変換されず、すべてが脂肪細胞へ送られてしまうようになります。

②インスリンが多量分泌されてしまう

 人工甘味料を摂取することで、逆にインスリンが多量に分泌されてしまう場合があります。先程述べたインスリンが働かなくなる場合もありますが、人工甘味料の種類によって血糖値が急上昇し、インスリンが多量に分泌されてしまうことがわかっています。
 これは13年にワシントン大学が発表した報告で、人工甘味料のスクラロースを摂取した場合に起こりうるそうです。血糖値が上がって多量のインスリンが出てしまうと、すい臓に負担がかかり糖尿病になる可能性もあります。血糖値が上がる仕組みは分かっていませんが、インスリンを分泌させないはずの人工甘味料にこのような危険性があるとは驚きです。

③腸内環境を乱す

 人工甘味料には、腸内環境を乱す可能性があることもわかっています。イスラエルのワイツマン科学研究所が発表した研究結果で、人工甘味料が腸内細菌に作用し、バランスを乱していることが分かったそうです。腸内にある善玉菌には、脂肪燃焼を促す細胞があります。痩せている人の特徴として、腸内環境が整っており善玉菌が多いということがありますが、人工甘味料を摂取するとこの腸内環境を乱してしまい、太りやすくなってしまいます。

④満腹中枢の働きが鈍くなる

 これは、フェニルアラニンやアスパラギン酸という人工甘味料を摂取することで現れる現象です。フェニルアラニンやアスパラギン酸は、満腹ホルモンのレプチンを活発する作用があります。このレプチンが活性化してしまうと、脳がキャパオーバーしてしまって満腹中枢が麻痺してしまうのです。その結果、いつまで経っても満腹にならず、食べ過ぎて肥満につながってしまいます。

まとめ

 ここまで、人工甘味料の太る理由を紹介してきました。人工甘味料には太るだけでなく、様々な危険性が潜んでいることがわかりました。しかし、加工品のほとんどに使われており、完全に排除することは難しいです。まずは成分表を見てみたり自炊を増やしたりするなど、日常生活で少し意識してみてはいかがでしょうか。

関連記事一覧