日本人に多く発症する心臓病の原因となる不整脈の危険性

コラム


日本人の死因の2位は心疾患です。
心臓は常に一定のリズムで動いていますが、このリズムに乱れが生じることで不整脈が起こります。
不整脈は心疾患を発症させる危険因子であり、心筋梗塞や脳梗塞などの生命に大きな影響を与えるので、発病リスクを正しく認識し、定期的にチェックするようにしてください。

なぜ不整脈は起こるのか? 不整脈の原因

心臓は、心臓を動かす筋肉に電気刺激が加わることで収縮と拡張を規則的に繰り返しながら生命を維持しています。
しかし、下記の原因で電気刺激の異常が起こると不規則な動きになり、不整脈の状態になってしまうのです。

・心臓の奇形や病気
直接的な心臓の障害による不整脈が半数に上ると考えられています。

・後天的な要因
残り半数の不整脈の原因は、生活にともなうものだと言われています。睡眠不足、運動不足、不規則な生活習慣、喫煙、飲酒、ストレスなど。

日本人が抱えがちな不整脈の原因とは

・ストレス
日本の社会情勢の変化は著しく変化しており、現代を生きる人の常に多くはストレスを抱えながら生活しているといわれています。
ストレスは、交感神経を刺激して、副腎からのアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を促し、心臓の働きを活発化させるのです。
大きなストレスや、いつまでも解消することができないストレスは、過度な負担を心臓にかけ続けることになるので、心臓に障害をきたして不整脈になります。不整脈を放置しておくと、さらに心臓に負担をかけ続けることになるので心臓病はますます悪化します。

・外食
日本人は外食や加工食品の摂取が多いことが問題です。
みそ汁や漬物など昔からなじみが深く日常的に好んで摂取されている料理の多くにも塩分が含まれています。その影響もあり、日本人の平均的な食塩摂取量は1日12gと欧米と比べても多いことが分かっています。
塩分はナトリウムを含んでいます。このナトリウムが、野菜、肉、魚など多くの食材に含まれているカリウムと一緒に吸収されることで、心臓を動かす筋肉に電気刺激が伝わり、心臓の伸縮を活発にさせるのです。しかし、塩分の過剰摂取で同時に電気刺激が異常に働き、心臓が不規則なリズムなる不整脈が起こります。また、心筋梗塞や狭心症などの心疾患を発症する危険性も高くなります。

不整脈はなぜ危険なのか? 検査の必要性

不整脈による最も危険な状態は、突然意識がなくなること、意識はあるものの突然の冷や汗や目が回った状態で倒れたりすることです。そうした状態に陥ると心臓の動きは不規則になり、正常に機能していないと思っていいでしょう。また、不整脈には狭心症や心不全を引き起こすタイプもあるので注意が必要です。
このような不整脈は致死性不整脈と呼ばれ、事前に予測することが難しく、多くは発症から数分以内に死亡する可能性が高くなります。
不整脈をチェックする検査、人間ドックについては以下のような内容があります。

・健康診断
健康診断で不整脈を指摘する検査は「心電図」です。基本波形から外れていると「不整脈」と診断されます。

・人間ドック
人間ドックで不整脈を判断するには「エコー」「ホルター心電図」「運動負荷心電図」「CT」「MRI」「心臓核医学検査」が基本です。加えて「冠動脈造影検査」などを行うこともあります。

基礎疾患がある方にとって不整脈は大きな危険となるので、より一層注意してください。
突然死を防ぐためにも、定期的な検査で異変の芽をこまめにチェックし、弱いところ、気になる点については人間ドックで精査するようにしましょう。

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