タバコとメタボには深い関係が!新たな造語「メタバコ」について

コラム

みなさんは、「メタバコ」という言葉を知っていますか?
メタボリックシンドロームは「メタボ」と略されますが、「メタバコ」はメタボとタバコを組み合わせた造語です。
昨今、このメタボリックシンドロームとタバコには、深い関連性があることがわかっています。今回はそんな新たな造語「メタバコ」について紹介していきます。

メタボとタバコの深い関係


実は、メタボとタバコには深い関係があります。タバコを吸う人はメタボになりやすいことが知られていて、副腎皮質ステロイドや性ホルモンに影響を与えて皮下脂肪よりも内臓脂肪が増えやすいことがわかっています。さらに、タバコを吸うことで、中性脂肪高値やHDL-コレステロール低値など脂質代謝異常や高血圧を引き起こしやすいこと、タバコを吸うとインスリン抵抗性が助長され、糖尿病にもなりやすいこともわかっているのです。
また、タバコとメタボが重なる「メタバコ」の状態になると、心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患のリスクがさらに上昇することもわかっています。非喫煙者でメタボリックシンドロームでない場合を1とした場合、メタボだと心筋梗塞は1.9倍、脳梗塞に1.4倍なりやすいのですが、喫煙者でメタボの場合、心筋梗塞に3.0倍、脳梗塞に2.5倍なりやすいと報告されています。それは、タバコがメタボを促進するだけでなく、血管を傷つけたり、血液をドロドロにさせたりするからなのです。
このように、「メタバコ」の状態が最も危険だということがわかりますね。また、「タバコから加熱式タバコに変えたら、動脈硬化になりにくくなるのでは?」と勘違いされている人もいるのですが、身体の中に入るニコチンの量はほぼ同じで、ニコチン自体が血管に悪さをするため、そのようなことはないとのこと。タバコを吸う方は、普段からメタボ対策と同時にタバコ対策をしておくことが大切です。

禁煙後の体重増加について


禁煙をした後に、体重が増加するということはよく耳にしますよね。「禁煙をするとご飯がおいしく感じてついつい食べすぎてしまう」そんな声もよくあります。ということは、禁煙をしてしまった方がよりメタボリックシンドロームになりやすいのでは?と予測することもできます。実際に禁煙した人の全体の数値を見ると、平均で2キログラムの増量があったそうです。しかし禁煙後の体重増加は、一時的ということがわかっています。確かに禁煙後一年は、中性脂肪数値が上昇し、血圧やLDL-コレステロール値も高くなる傾向があります。しかし禁煙して二年が経過すると、ほとんどの人の数値が改善することが研究でわかっています。また二年では改善しなくとも、四年後には中性脂肪値、血圧、コレステロール値ともに、元の数値に戻っていくのです。こう考えると、禁煙をしたほうが長期的にみても健康に良いと考えることができますよね。

禁煙をする方法

では、禁煙を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか。
まずは、禁煙開始の準備をしましょう。
①禁煙開始日を設定、②禁煙する理由を書きだす、③周囲の人に禁煙を宣言、④自分の喫煙行動や習慣を見直す、以上の準備が大切になります。①の禁煙開始日の設定は、仕事や予定にゆとりがあり、ストレスの少ない休日や休暇中などがよいでしょう。誕生日や記念日など自分にとっての特別な日もおすすめです。②の禁煙する理由を書き出すについては、禁煙を成功させるためには、禁煙したい気持ちを高めておくことが必要です。健康のため、家族のためなど、自分が禁煙したいと思う理由を書きだしていきましょう。この理由を思い出すことで、再喫煙防止にもなります。③の宣言することも大切です。決意を言葉にすることで禁煙の意識はさらに高まります。周囲の理解を得ることで相談したり、協力してもらうこともできます。また、④の自分の喫煙パターンを知ることで、吸いたくなる状況を避けたり、吸いたくなったときの対処法をあらかじめ考えておくことができるのです。

まとめ

ここまで、メタバコや煙の方法について紹介してきました。
人生100年時代と言われる昨今、やはり健康寿命を長くしたいものですよね。そのためにメタバコが当てはまる方がいましたら、ぜひ少しずつ生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

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