人によって異なる理想の睡眠時間

コラム

毎日どれくらいの睡眠時間をとっていますか?8時間は寝ないと体力がもたないという人がいたり、3〜4時間で問題ないという人がいたり、適切な睡眠時間は人によって様々です。今回は、自分にとって最適な睡眠時間を見つけるためのポイントについてお話します。

日本人の平均睡眠時間

睡眠は、心身の休息、疲労回復、免疫機能の強化、感情整理、記憶の固定など、私たちが生きていく上で欠くことのできない非常に重要な役割を担っています。

ですが、日本人の睡眠時間は世界的にみて短い傾向にあります。経済協力開発機構(OECD)が2021年に発表したデータによると、日本人の平均睡眠時間は、先進国を中心とした世界33カ国の中で最も短い7時間22分(1日あたり)でした。平均よりも1時間も短く、OECD加盟国の中で最も長い米国とは89分の差がありました。

では、日本人は体質的に長い睡眠時間が不要なのかというと、そういうわけではないようです。厚労省が2019年に行った「国民健康・栄養調査」によると、週3回以上、睡眠時間が足りないと感じたことがあったと答えた人の割合は、男性で17.3%、女性で19.8%でした。

人によっても日によっても異なる理想の睡眠時間

睡眠時間については、例えば「8時間は寝ないと体力がもたない」という人がいたり、「3〜4時間で問題ない」という人もいます。

理想の睡眠時間は一人ひとり個人差があり、年齢によって変化します。
思春期までの子どもはおよそ9時間、10代半ばになると短くなり、20代で7時間前後、そして高齢になると、およそ6時間に減るといわれています。
高齢になると、朝の目覚めが早くなり、夜間にもたびたび目が覚めるようになります。これは、高齢になると、基礎代謝が低下してエネルギー量が減少し、それに伴って必要となる睡眠時間が短くなるからです。
また、睡眠を促すホルモン『メラトニン』の分泌量も、加齢とともに減少することが判明しています。

また、睡眠時間は、季節によっても変わります。体内時計が日照時間と関係しているからです。
私たちの体内時計は、日光を浴びることでリセットされます。秋から冬にかけては日照時間が短くなるので、日光を浴びる時間が少なくなります。そのため、睡眠時間が長くなるのです。一方、日照時間が長くなる春から夏にかけては、睡眠時間が短くなります。

あなたにとって適切な睡眠時間とは?

それでは、自分にとっての適切な睡眠時間はどれくらいなのでしょうか。

適切な睡眠は、理想とする一律の時間・長さがあるわけではなく、昼間の状態で判断すべきと言われています。
日中に眠くなってしまう、頭がぼーっとする、疲労感が残っているといった理由で、仕事や家事などに支障が出ていないか考えてみましょう。もし、思い当たる点があれば、もう少し睡眠時間を増やしてみるとよいでしょう。

「7時間は寝ないといけない・・・」とこだわりすぎて、眠気がないのに早くから布団に入り、寝付きの悪さや夜間中途覚醒が問題となってしまうケースも多くあるようです。
睡眠時間にこだわりすぎず、朝起きたときに疲労感がなく、日中の生活に支障がないようであれば、自分にとって理想的な睡眠時間がとれていると考えるとよいでしょう。

まとめ

睡眠は、心身の休息、疲労回復、免疫機能の強化、感情整理、記憶の固定など、私たちが生きていく上で欠くことのできない非常に重要な役割を担っています。
最適な睡眠時間は年齢や季節、生まれもった体内時計の性質によって異なります。時間そのものにとらわれすぎず、その時々で自分に合った睡眠時間を見つけ、理想的な睡眠を手に入れましょう。

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