細胞の生成に必要な栄養素

コラム

細胞を形成する材料となる栄養素が不足するとさまざまな症状が発生。ビタミンC欠乏でコラーゲン形成障害や活性酸素の除去が不十分に。亜鉛不足で細胞分裂障害による味覚障害。葉酸不足も細胞分裂に悪影響、特に胎児に強い悪影響を。カルシウム不足で骨が脆くなったりします。

私たちの体内を構成している細胞は色々な栄養素から作られています。

そして、それらの栄養素の中でも、細胞の生成に特に深く関わってくる栄養素がいくつかあります。

このような栄養素が不足すると当然、身体には良くない影響がいろいろと起こってきます。

そこで今回の記事では、細胞の生成に関わる栄養素について解説してみました。

ビタミンC


ビタミンCはコラーゲンを作る際の重要な材料となります。

ちなみにコラーゲンは細胞そのものではないですが、細胞と細胞の間に存在していて、繊維状の形状をしている物質です。

そのため、ビタミンCが不足すると全身の細胞の周囲に必要とされるコラーゲンの生成がうまくいかなくなり、全身のあちこちに異変が生じることになります。

さらに、ビタミンCは細胞内でよくない働きをすることも多い物質、活性酸素の作用を除去する働きもあります。

この働きは一般的に抗酸化作用といって、健康に良い作用とされていますが、ビタミンCは抗酸化作用が期待できる物質の中で最も有名で、よく使用されています。

亜鉛


亜鉛は人間の体内で様々な働き示す栄養分です。

その中でも細胞に関しては、DNAの合成に関わっています。

そのため、体内で細胞分裂が活発な部分では特に亜鉛が必要となります。

亜鉛が不足すると味覚障害が起こる理由

舌に存在していて味覚を司る味蕾細胞はとても新陳代謝が活発な細胞です。

そのため、亜鉛不足が不足すると味蕾細胞の細胞分裂、新陳代謝にブレーキがかかってしまうことに。

その結果、味蕾細胞の働きがうまくいかなくなり、味覚障害が発生してしまいます。

また、味覚障害だけではなく、全身の細胞分裂がうまくいかなくなるために、例えば傷の治りが遅くなったりといった症状が現れる可能性もあります。

葉酸

葉酸は妊婦に必要な栄養文としてよく知られていますが、葉酸にも亜鉛と似たような働きがあります。

つまり葉酸は、細胞内のDNAやRNAといった遺伝子に関係する物質の生成に関わっています。

そのため、葉酸が不足すると、亜鉛不足の時と同じように、細胞分裂がうまく働かなくなる、といった障害が発生。

ちなみに、妊婦には適量の葉酸の摂取が勧められるのも同じ理由で、葉酸不足でDNAやRNAの生成がうまくいかなくなると、胎児の発育に悪影響が生じる可能性があるからです。

胎児は特に細胞分裂が活発なため、葉酸が不足すると悪い影響が大人よりも出やすくなります。

カルシウム

体内中のカルシウム容量のうち、99%は骨に存在していますが、残りの1%程度の量は細胞や血液中に存在しています。

そして、カルシウムの摂取不足などでカルシウム容量が足りなくなると、人体は骨からカルシウムを取り出して使用します。

そのため、カルシウムが足りなくなると骨がもろくなってくるわけです。

また、カルシウムは骨の形成以外にも、細胞分裂や精神状態の安定、血液の凝固促進などさまざまな部分に関与しています。

特に細胞分裂に関しては、カルシウム不足によって染色体の生成に異常が生じることが、最近の研究で明らかになってきました。

染色体の異常が発生するとガンになる原因となるため、カルシウム不足というのは決して軽視できない事態となります。

まとめ

このように、ふだん、ビタミン剤やサプリなどに含まれている成分というのは、ただ単に体調を整えるだけではなく、細胞に関しても重要な働きをしてることがわかりました。

特に細胞の中でもDNAといったとても重要な部分に関わっていることから、栄養不足ということは決して馬鹿にはできない事実です。

今回紹介した栄養分はふだんから不足しないように、マルチビタミン剤などを利用して適切量を摂取しておくようにしましょう。

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