冬でも食中毒になる?原因や予防法も解説

コラム

「冬は寒いから食中毒にはならない」と作った料理をそのまま放置したりしていませんか?
その料理、もしかすると細菌が増殖してしまっているかもしれません。
本記事では、冬でも食中毒になるのか、また、原因や予防法についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

冬でも食中毒になる?

食中毒は、ジメジメした梅雨や夏に多いと思われがちですが、ウイルスによる食中毒が一番多く報告されているのは、実は冬でなのです。
冬でも食中毒には十分に気をつけて、食中毒にならないための対策をとることが大切です。


引用:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/statistics.html


引用:農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/statistics.html

冬の食中毒の原因は?

冬の食中毒でも最も注意が必要なのはノロウイルスですが、その他の細菌や寄生虫などにも注意をする必要があります。
こちらでは、食中毒の原因となる以下の4つを解説します。
・ ノロウイルス
・ カンピロバクター
・ ウェルシュ菌
・ アニサキス

ノロウイルス

冬の食中毒の中で最も感染者が発生するのが、ノロウイルスです。カキなどの二枚貝を加熱不十分または生で食べて感染したり、ウイルス感染者から他の人へと感染したりします。
潜伏期間は1~2日程度で、発症すると、発熱・吐き気・嘔吐・下痢・腹痛などの症状があらわれますが、1~2日で自然と治まってきます。嘔吐が激しく水分が取れない場合は、脱水症状になる可能性がありますので、早急に医療機関を受診しましょう。
健康な人の場合は、症状が全くなかったり、軽い風邪症状だけで済んだりすることもありますが、罹患して1週間程度は便の中にウイルスが排出されますので、自分でも気付かないうちにウイルスを広めてしまうことがあります。

カンピロバクター

日本で発生する細菌性の食中毒では最も件数が多いのがカンピロバクターです。加熱不足の鶏肉や、鶏レバーやササミの刺身、殺菌不十分な井戸水や湧き水、簡易水道水から感染します。
潜伏期間は1~7日程度で、他の食中毒に比べて長いことが特徴です。発症すると、下痢・腹痛・発熱・悪心・嘔吐・頭痛・悪寒・倦怠感・血便などの症状があらわれますが、1~3日程度で自然と治ってきます。
カンピロバクターに感染後、1~3週間後に、力が入らない・感覚がマヒする・手足がしびれる・呼吸困難を起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があります。違和感があったときには、早急に医療機関を受診しましょう。早期に診察を受け、治療を開始することで、数日から数週間程度で回復することができます。

ウェルシュ菌

ウェルシュ菌は、健康な人や動物の腸内の大腸内常在菌で、土壌や河川、海などの自然界に幅広く生息している細菌です。なかでも、牛・鶏・魚が多くウェルシュ菌を保菌しています。
汚染された食材を使って粘度の高いカレーなどの煮込み料理を作ったときに、なべ底で100℃以上6時間日にかけても耐える芽胞を形成します。そして、料理をそのまま放置していると、増殖に適した温度になったときに発芽し、増殖していきます。
潜伏期間は6~18時間で、発症すると水溶性の下痢・軟便・軽い腹痛の症状が現れますが、嘔吐や発熱症状は少なく、1~2日で回復します。

アニサキス

サバ、サンマ、カツオ、サケ、イワシ、アジ、イカなどの魚介類にアニサキスの幼虫が寄生したものを食べたときに、人間の胃や腸に刺入することで発症します。
急性胃アニサキス症は、食後数時間後~十数時間後に、みぞおちの激しい痛み・悪心・嘔吐があらわれます。急性腸アニサキス症は、食後十数時間後~数日後に激しい下腹部痛・腹膜炎のような、吐き気や嘔吐を伴う下痢症状があらわれます。
アニサキスの幼虫を食べても、症状がない場合もありますが、上記のような激しい痛みがあれば、除去する必要がありますので、早めに医療機関を受診しましょう。

冬の食中毒の予防法は?

冬の食中毒の予防法は以下のとおりです。
・ ウイルスや細菌を持ち込まない
・ ウイルスや細菌をつけない
・ ウイルスや細菌をひろげない
・ ウイルスや細菌をやっつける
どの予防法も基本的なことですよね。まずは、しっかりと手洗いなどをして衛生を保つことがとても重要なのです。

まとめ

寒い冬であっても食中毒は発生します。とても基本的なことですが、食事前や料理をする前は必ず手を洗うことで、ウイルスなどから身を守ります。また、調理後の料理を放置することで細菌が増殖してしまいますので、作りすぎないようにしたり、適切な方法で保管したりすることが大切です。

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