もしかして貧血!?検査方法や数値の見かたについて解説

コラム

「夜しっかり寝ても疲れがとれない」「少し走っただけなのにすごく息切れする」などの症状がある場合、もしかすると貧血かもしれません。
軽度の貧血は、自分では気づかないこともありますが、日々の生活の質を下げる原因になってしまいます。
本記事では、貧血の症状や検査方法などを解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

私たちの体中には血管が張り巡らされており、常に血液が流れ続けています。体内の血液量は、男性で体重の約8%、女性で約7%といわれており、血液の成分には、赤血球・白血球・血小板があります。貧血は、この血液成分中の赤血球に含まれる、ヘモグロビン濃度が低下した状態のことをいいます。
ヘモグロビンは、ヘム(鉄)とグロビン(タンパク質)が結びついてできているもので、血液が赤いのは、ヘムが赤色素をもっているためです。体内の鉄が不足すると、赤血球の中のヘモグロビン濃度も低下して、赤血球が小さくなったり、赤血球の数が減ったりしてしまうことになります。赤血球は、全身に酸素を運ぶ働きをしていますが、こうなると体内の酸素が不足し酸欠になってしまうのです。
日本人は、自分では気づいていない、「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」が約1000万以上いるといわれています。

貧血の症状は?

貧血になると、疲労感・脱力感・頭痛・動機・息切れ・めまい・耳鳴り・意識障害などが起きます。
このうち、めまいについては、自律神経失調症が原因の起立性調整障害の場合もありますので、他の症状と合わせて判断する必要があります。

貧血の種類

貧血にはいくつかの種類がありますが、その中から代表的な貧血を3つ解説します。
・ 鉄欠乏性貧血
・ 溶血性貧血
・ 慢性炎症に伴う貧血

鉄欠乏性貧血

貧血の中でもっとも多く、全体の約7割を占めています。鉄欠乏性貧血になると、衝動的に氷を食べたくなる「氷食症」になることがあります。偏食や食事制限によるダイエット、月経などが原因で起こりやすいのですが、高齢者の場合は、消化器系の血液性疾患である可能性もありますので、注意が必要です。

溶血性貧血

通常、赤血球の寿命は120日程度ですが、何らかの原因で赤血球が寿命よりも早く破壊されてしまうことで貧血になります。鉄欠乏性貧血がゆっくり進行するのに対して、溶血性貧血は一気に進行することがあります。
例えば、マラソンで足底部に長時間衝撃が加わり続けることで、赤血球が破壊されてしまい、溶血性貧血(スポーツ貧血)になることがあります。

慢性炎症に伴う貧血

慢性炎症とは、自分でも気付かないうちに、数カ月~数年をかけてじわじわと進行する炎症のことです。細胞のサビやこげなどが体内に蓄積したり、病原菌などが体内に残ったりしていることが原因となります。関節リウマチ・悪性腫瘍・感染症などが、慢性炎症を伴う貧血として一般的です。

貧血の検査方法は?

貧血の検査方法は、腕の静脈から採血をして血液検査をおこない、主に、ヘモグロビン濃度・ヘマトクリット値・赤血球数の3つで判断します。なお、ヘマトクリットとは、血液全体に占める赤血球の割合のことです。

数値の見かたは?

貧血を判断する3項目の基準値は以下の通りです。

検査した機関によって、基準値にバラつきがあることがあります。また、基準値内であっても、その他の要件で貧血と診断される可能性もありますので、検査結果を確認する時は、医師の診断をしっかりと確認しましょう。

貧血の予防方法は?


引用元:厚生労働省

貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう

貧血の予防には、なんといっても食事方法が大切です。
鉄分不足を防ぐために、上記の食材を積極的に取り入れながら、一日3食をバランスよく食べましょう。また、良質なタンパク質やビタミンCを含む食材を一緒に食べると、鉄分の吸収が良くなります。

まとめ

貧血になると、いつも疲れていたり、やる気が出なかったりと、生活の質が下がってしまいます。貧血の予防のために、規則正しい食事をし、鉄分を積極的に取り入れるようにしましょう。また、人間ドックや特定健診などで、定期的に検査をして、自分の体について知っておくことがとても重要です。

関連記事一覧