認知症の種類とその原因・治療、予防対策について

コラム

認知症はアルツハイマー病、血管性認知症など大別して4つの病気が存在します。いまだに治療法や発生のメカニズムが解明されていない病気ですが、進行を遅らせる薬はあります。普段から健康的な生活をすることが予防対策となります。

認知症という病気は最近まで原因がなかなか特定できず、治療法もあまり効果的なものがありませんでした。

しかし最近では研究の成果により認知症が起こる原因も分かってきて、治療もどんどん新しいものが用いられるようになってきています。

そこで今回は、認知症の原因、症状から治療、予防対策について解説してみました。

認知症の種類

認知症と一言でいってもいろいろな種類のものがあります。

そこでまず認知症の代表的な症状をいくつか紹介しておきましょう。

アルツハイマー病

アルツハイマー病は認知症の中で最も有名な病気です。

この病気は通常、六十歳以上になってから発症することが多くなっています。

アルツハイマー病が起こる原因はアミロイドとタウというタンパク質が脳内に蓄積されることによって、脳の神経が正常に作用しなくなることです。

そして一度アルツハイマー病になってしまうと、現在のところ治療法は存在せず、治すことはできません。

ただ、アルツハイマー病の症状を和らげる薬などは開発されていて、物忘れなどの症状を軽減することができます。

また、アルツハイマー病はゆっくりと進行していくので、時間をかけて早めに病院に行って治療することで、症状を軽減できる可能性があります。

アルツハイマー病が起こる原因としては、まずは加齢による老化ですが、それ以外にも糖尿病やアルツハイマー病になりやすい遺伝子も関係がある、と考えられています。

血管性認知症

脳血管認知症は脳梗塞、脳出血などで、脳細胞が壊死したことにより症状が発生します。

この病気はアルツハイマー病についで発生率の高い認知症で、女性よりも男性の発症率が高いという特徴もあります。

脳血管認知症を発症すると、物忘れや日常の行動ができなくなったり、物事が認識不能になったり、判断ができなくなる、といった症状が現れます。

また、脳血管認知症に関しては、いったん壊死した脳細胞が治ることはありません。

しかし、薬物治療などで病気の進行を遅らせることは可能です。

また、脳の健康な部分が壊死した部分の機能を補うこともある、と考えられています。

脳血管認知症の場合、原因がはっきりしているので、予防対策としては脳梗塞や脳出血などになるべくならないような生活習慣を送ることが大切です。

レビー小型型認知症

レビー小体型認知症は、認知症全体の中で2割を占めている、比較的発症例の多い認知症です。

また、アルツハイマー病は女性に多い病気ですが、レビー小体型認知症は男性に多い病気で、高齢者になってから発症することが多いという特徴もあります。

この病気は1996年に発見されたばかりなので、まだあまり詳しいことはわかっていなくて、完全に治療できる薬も開発されていません。

レビー小体型認知症はレビー小体というタンパク質が脳の中に現れることで症状が発生します。

症状に関しては、アルツハイマー病とは少し異なっていて、手足が震えるなどのパーキンソン症状や視覚障害、レム睡眠行動障害といったものが主な症状として現れてきます。

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は認知症の中では10%の割合を占めるもので、決して少ない数ではない発症率となります。

この病気は大脳の前頭葉、側頭葉が萎縮することで発生。

発症の原因としてはタウ蛋白が関係していると考えられています。

前頭側頭型認知症の場合、アルツハイマー病とは症状がかなり異なっていて、記憶力の低下はアルツハイマー病ほどはありません。

しかし、自分の感情が抑制できなくなって、暴力を振るったり人に迷惑をかけるような行動を取ったりします。また、言語障害も発生します。

この病気の場合も、完全に治療する薬はありません。

原因もよくわかっていないので、予防法も不明です。

認知症になってしまった時の対策


認知症になってしまった場合、進行したものは元に戻らないので、なるべく進行を食い止めることが対策となります。

一番大切なこととしては、まず何よりも病院に行って治療を受けることです。

運動なども進行を遅らせるのに効果があるとされているので、適度に運動をするようにしましょう。

認知症にならないための対策


残念ながら現代ではどのアルツハイマー病も完治する方法はないので、認知症の予防対策としてはまず、糖尿病にならないように気をつけることです。

また、脳血管認知症は脳の病気によって発生するので、脳の病気にならないために適度な運動、健康的な食事を心がけ、お酒やタバコはなるべく控えることが予防対策となります。

まとめ

このように、認知症と一言でいっても様々な種類のものがあって、発生する原因や症状はかなり異なっています。

そのため、身近な人に認知症のような症状が出た場合、どの症状なのかをまず知っておくことが対策として重要です。

周囲に認知症的な行動をとる人がいれば、なるべく早く病院に行って診断を受けるようにしましょう。

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