脂質をコントロールして健康な血管を手に入れる方法とは?

コラム

「人の老化は血管から始まる」とも言われていて、血管ケアはアンチエイジングの点でとても大切です。年齢を重ねることで硬くなっていく血管をケアしていくには、日々の食事や運動で脂質をコントロールすることが必要です。今回は、脂質のコントロール方法や血管ケアについて紹介していきます。

血管は年齢で変化する。

女性の血管の加齢変化には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関係していると言われています。エストロゲンは、20~30代に最も多く分泌されるため、若い人の血管は弾力性もあり、健康的です。エストロゲンには血管拡張作用もあるので、血流もよく、動脈硬化になりにくいです。平気でケーキバイキングができるのも、エストロゲンのおかげかもしれませんね。しかし更年期を迎えると、エストロゲンの分泌量は減っていってしまいます。ただでさえ加齢で血管のしなやかさが失われていくのに、エストロゲンの力もなくなり、血管にはプラークができやすくなってくるのです。50代になったら血管の老化を進めないためのケアが大切になってきます。
 エストロゲンには、血管が正常に機能するのを助ける働きと共に、LDLコレステロールを減らすなど、動脈硬化を抑制する作用があります。そのためエストロゲンが多く分泌されている20〜30代までは、特別なケアをしなくても血管はしなやかさを保っているのですが、閉経を迎えると事情は変わります。エストロゲンの分泌が止まると共に、血管の硬化が急速に進んでしまうのです。血液中を流れる脂質にはコレステロールや中性脂肪がありますが、これまでエストロゲンによって抑えられていたそれらの数値も自然と高くなり、血液の流れを妨げることになってしまうのです。
 また、LDLコレステロールが血管の内壁にたまったものが、やがてドロドロの粥状のこぶのようになり、プラークというものができます。プラークが破れると、そこに血栓ができて血管を詰まらせ、心筋梗塞こうそくや脳梗塞の発症につながることもあります。

健康的な血管を保つには?


 実は健康的な血管を保つためにLDLコレステロールや中性脂肪などの脂質を減らすのには、油が役に立つのです。 特におすすめなのが、魚に含まれるEPAやDHA、亜麻仁油などに含まれるα-リノレン酸などの「オメガ3」ことn-3系脂肪酸です。この種類の油には、血液中の中性脂肪を減らしたり、血栓ができるのを防いだりする働きがあります。また、オリーブ油、キャノーラ油もLDLコレステロールを減らす働きがあることがわかってちます。しかしオメガ3は光や熱により酸化しやすい特徴があるため、亜麻仁油などは加熱調理に不向き。料理にそのままかけて食べることがおすすめです。
 脂肪酸の種類は、大きく分けて動物性脂肪などの「飽和脂肪酸」と植物性脂肪などの「不飽和脂肪酸」、化学的に生まれた「トランス脂肪酸」に分けられます。飽和脂肪酸はコレステロール値の高い人は控えたい油となっています。この他、コレステロール値にかかわらず控えたい油に、マーガリン、ショートニング、食用精製加工油脂に多く含まれているトランス脂肪酸が入っているので控えましょう。血管に対する毒性が指摘されているため、加工食品を購入する時は原材料表示の確認をしましょう。

まとめ


ここまで、血管を保つための脂質コントロールについて紹介してきました。病気を防ぐためにも、若さを保つためにも、ぜひ脂質をコントロールして健康で綺麗な姿を目指したいですね。

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