人間ドックの前日には「食事制限」に気を付けよう!

コラム

人間ドックで実施する検査では血液検査を始めとして、正常値の範囲が決められています。基準として定められている数値は一定の条件の元に抽出されたもので、正しい検査結果と比較できなければ意味がありません。
人間ドック前日に設けられる「食事制限」は、基準と検査結果を照らし合わせるために必要な条件なのです。どのような制限があるのか、また、検査の準備として食事で気を付けるべき点をご紹介します。

人間ドック前日の「食事制限」の必須条項

・基本の条件
 ・人間ドック前日の食事は午後9時までに済ますこと
 ・食事内容は消化しやすい料理であること
 ・脂質、たんぱく質、食物繊維はなるべく避けること
 ・カフェイン、アルコール、スポーツドリンクなどを避けること
 ・必要な水分摂取は白湯、あるいは水で行い、午後9時以降はなるべく控えること
 ・検査開始3時間前以降は水分摂取も避けること
 ・栄養剤などを摂取しないこと
 ・既往症に対する医薬品等は前もって医師に相談したうえで服用すること
細かく言えばさらに詳細な禁止項目があり、食べられない食材がたくさんあります。もう少し詳しく見てみましょう。

・意外に細かい禁止事項
避けるべき成分である「脂質」「タンパク質」「食物繊維」「カフェイン」などに関連して、多くの食材が禁止項目に該当します。例えば、健康に良いとされる海藻類や菌類、根菜、肉料理、魚料理など。
つまり、海藻サラダもしゃぶしゃぶも、ポテトサラダもだめということです。飴、ガム、タバコも禁止。嗜好品の多くはカフェインなどの添加物を含みますので、特に注意してください。
また、日ごろリラックスタイムにコーヒーや紅茶を飲んでいると言う方。運動を心がけていて、水分補給にスポーツドリンクや経口補水液を利用していると言う方。たった1日であっても、習慣を曲げるのはストレスがかかると思われます。しかし、だからこそ意識してそれらの要素を避けなければなりません。
思いがけない行動で検査結果に影響が出る可能性もありますので、これを機会に生活習慣を見直してみるといいかもしれないですね。

前日の食事制限を破るとどうなるか


・検査結果が正しく出ないだけでは終わらない影響
人間ドック前日の食事制限を破ると、もちろん、多くの検査結果に影響が出ます。肝臓や腎臓、膵臓などの働きを示すγ-GTPの値が異常になったり、胃腸の検査が正常にできなかったりします。
禁止事項のアルコールを摂取してしまった後にバリウム検査を受けた場合には、バリウムが胃の中で凝固してしまうなどのリスクがあり、検査後に多大な支障が発生する可能性があるのです。

・場合によっては再々検査も
明確な異常値では糖尿病や腎臓病、肝臓病などに該当することになり、さらに詳細な検査が必要になります。もしも病気がないのに精密検査を実施すれば費用負担も大きくなるでしょう。
このようなリスクを鑑みれば、人間ドック前日の食事制限を守る必要性、重要性は明らかです。
アルコールに関しては検査前日と翌日も禁止されていますので、食品ごとのこうした禁止期間の違いにも注意してください。

ぜひ病気の早期発見のチャンスを生かすべく、人間ドック前日の食事については細かい注意事項までよく確認していただきたいと思います。
人間ドックは健康診断と違い、個別に項目を組み立てる高額な検査です。その分詳細に、かつ、本人の悩みに特化した内容を調べられるので、隠れた病気を発見できる可能性は非常に高いのです。
年齢とともに体に痛みや不快感が出ることは増えるでしょう。気になる要素がある方は、どのような検査で不安を解消できるのか、まずは医師に相談してみることをおすすめします。

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