非喫煙者の受動喫煙による健康に影響を与える危険性

コラム

受動喫煙とは、副流煙と呼ばれるタバコから出る煙や喫煙者が口や鼻から吐く煙を喫煙していない人が吸い込むことです。副流煙にはたくさんの有害物質が含まれており、そのうち約70種類は発がん性物質であると言われています。
喫煙はタバコを吸っている人だけではなく、周囲にいる人の健康にも大きな影響を与えているのです。
ここでは、受動喫煙が健康に及ぼす影響についてご紹介します。

副流煙に含まれている有害物質

タバコの代表的な有害物質には、ニコチン、タール、一酸化炭素があります。ニコチンには神経毒性があり血圧を上昇させるだけでなく、依存性も持っています。タールには発がん物質が含まれています。一酸化炭素は、酸欠状態に陥ることで疲労感を感じることや動脈硬化を発症させる作用があります。
副流煙には、これらの有害物質が喫煙者の吸い込む主流煙よりも約2~5倍多く含まれているため注意が必要です。他にも、アンモニア、二酸化硫黄、PM2.5など様々な有害物質が多く存在します。

受動喫煙の危険性

タバコの煙は吸い終わった人の口や肺にも残ります。ベランダなど別の場所で喫煙しているからといって安心はできません。常に非喫煙者は受動喫煙の危険にさらされているのです。
飲食店など室内で分煙している場合でも、人の出入りなどで煙が漏れることはあるので、完全に禁煙でない限りは受動喫煙を防げません。
空気清浄機を使用していると臭いは消えますが、一酸化炭素を除去することはできないため、有害物質はそのまま空気中に残っているのです。
このように、受動喫煙していることに気付かないことも多くあるので注意が必要です。

受動喫煙が与える影響

受動喫煙には「急性受動喫煙症」という目や喉の痛み、頭痛など、受動喫煙後すぐにあらわれる症状があります。これらの症状は自分の体を守る防御反応です。そのまま放置すると体の防御反応がだんだん鈍くなり、やがて受動喫煙していることに気付かないほど鈍くなります。防御反応が出ないまま長期に渡って受動喫煙を繰り返すと、健康被害を受ける恐れがあるので注意が必要です。
慢性的に受動喫煙が続くことで、気管支炎や喘息などの呼吸器疾患、不整脈や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管障害も発症しやすくなり、死亡する可能性も高まります。また妊婦や胎児、幼児への影響もあり、流産や早産、低体重児の出産、発育障害や中耳炎などの危険性があります。

病院で検査を

受動喫煙でお悩みの場合は医師に相談してみましょう。 喉がいがらっぽい・鼻につく・目が痛いなどの軽い症状でも大丈夫です。病院では、タバコの煙に含まれるニコチンが体内で分解されてできる「コチニン」という物質を検査します。検査はコチニンがどれだけ尿に含まれているのかを測るだけです。
受動喫煙症の診断書も発行してもらえるので、自分の健康状態を知るだけでなく、職場に相談しやすくなりますから是非利用して下さい。
受動喫煙症の診断ができる病院は、日本禁煙学会のホームページで確認できますよ。

受動喫煙しないためには、タバコを吸った直後の人と話さないようにすることや飲食店では完全禁煙の施設を利用することを心がけて下さい。
家族に妊婦や幼児がいる場合には「禁煙する・してもらう」など協力して受動喫煙の可能性を減らしましょう。また職場などで、どうしても周りに喫煙者がいる場合は定期的な検査を受けることが大切です。
検査を受けて受動喫煙の影響を少なからず受けていたと分かったら、人間ドックを受けることをおすすめします。症状が悪化する前の早い段階での治療につながりますよ。

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