人間ドックで「ピロリ菌」の検査を一緒に受けよう!

コラム

「ピロリ菌」という菌の名前を皆さんも一度は聞いたことがあるのではないかと思いますが、実はこのピロリ菌は日本人の約半分が胃の中に保有をしているといわれています。
ピロリ菌は放っておくと胃の病気の原因となってしまいます。
病気にかかる前に、ピロリ菌に関する正しい知識を身に付けておきましょう。

ピロリ菌とは?

ピロリ菌(正式名称「ヘリコバクター・ピロリ」)とは、生き物の胃の中に生息するらせん型の細菌のことで、人間にとっては有害なバイ菌となっています。
このピロリ菌が発見されたのは今から30年ほど前の1983年のことで、胃の中が強い酸性であることから細菌が住めない環境であると長年考えられてきたため、発見されるまでに長い期間がかかってしまったのです。

人間の胃にピロリ菌が感染すると「胃潰瘍」や「慢性胃炎」といった胃の病気を誘発しやすくなり、さらに「胃がん」になるリスクが感染していない人の20倍も高くなってしまうといわれています。

ピロリ菌を検査する6つの方法


現在実施されているピロリ菌の検査方法は全部で6つあり、大きく「内視鏡を使った検査方法」と「内視鏡を使わない検査方法」の2種類に分けることができます。

○内視鏡を使った検査方法

・迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌が作り出すアンモニアの量を調べてピロリ菌の有無を確認する検査方法

・鏡検法
胃の粘膜から採取した組織を染色し、顕微鏡で観察する検査方法

・培養法
胃の粘膜から採取した組織をピロリ菌の発育環境下におき、ピロリ菌が増えるかどうかを調べる検査方法

○内視鏡を使わない検査方法

・抗体測定
血液や尿を採取し、その中のピロリ菌に対する抗体の有無を調べる検査方法

・尿素呼気試験
検査用の薬を飲み、服用前後の呼気を比べてピロリ菌に感染しているかを調べる検査方法

・便中抗原測定
便を採取し、その中のピロリ菌の抗原の有無を調べる検査方法

これらの検査を受けた結果、ピロリ菌に感染していると判断された場合は、薬による除菌療法を受けることになります。

ピロリ菌の検査は人間ドックでも受けられる

これらの検査は各病院の胃腸科や消化器内科で受けられますが、それらの診療科がある病院であれば、人間ドックでほかの検査と一緒に受けることもできます。
人間ドックを受ける際に一緒にピロリ菌の検査も受けるようにすれば、一度に全身の健康状態を調べることができるので一石二鳥ですよね。

ピロリ菌はただ胃の中にいるだけでは自覚症状がほとんどないので、「自分は大丈夫」と決めつけずに定期的に検査を受けることが大事です。
ぜひ人間ドックと一緒に、ピロリ菌の検査も受けるようにしましょう。

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