甲状腺がんは「がんリスク」第何位? 男性も知っておくべき病気の話
男性の甲状腺がん罹患後の5年生存率は第3位の89.5%で、女性については第1位の94.9%となっています。
悪性新生物そのものが非常に危険な病気であることは間違いありません。
その一方で甲状腺がんに関しては生存率が高くなっていますので、予防や早期発見を意識して生活すれば甲状腺がんによって命を脅かされる可能性を確実に低減できるでしょう。 甲状腺疾患の有病率は男女比で1対4から1対20といった開きがありますが、もちろん男性にもリスクがあります。
男性も女性も、ぜひ甲状腺の健康状態を定期的にチェックするようにしてください。
甲状腺がんの罹患率と死亡率
・1年間で甲状腺がんを発症する日本人はどれくらい?
2013年の1年間で新たに甲状腺がんと診断された人数は、男性では4,233人、女性では11,396人を記録しました。単純計算でも女性は男性より2.8倍ほど多く甲状腺がんと診断されていることになります。
死亡者数では2016年の男性587人、女性1,192人という数字が最新で、甲状腺がんによる死亡リスクは男性と女性で1対2の比率です。
女性の方がより大きな脅威を抱えている事態は明白ですが、男性の587人という死亡者数も見過ごすわけにはいきませんよね。
・発症数からみる死亡リスク
甲状腺がんの5年生存率からすると、2016年に亡くなった男性587人、女性1,192人と2013年の数字で単純にパーセンテージを算出しても正確な死亡率にはなりません。ただし、大まかなリスクの把握という意味では手がかりになるはずです。 甲状腺がんを発症した男性の約13.8%、女性の約10.4%が亡くなっているという計算になります。
甲状腺がんの基本的検査
・基本的な検査の内容
甲状腺がんの基本的な検査内容は、甲状腺エコー検査、血液検査、細胞診です。
細胞診は注射針で細胞を吸引採取する方法と、メスで切開して細胞を採取する方法があります。
確定的でない甲状腺がんの検査の場合は血液検査と甲状腺エコー検査が基本で、もっとも手軽で、受診者への経済的、身体的負担が少ない検査項目が甲状腺エコー検査です。
エコーとは超音波のことで、超音波を発するプローブという端子を皮膚の上から当てて超音波の反射を測定し、リアルタイムで画像化して視覚的に診断する画像検査として高い人気を誇ります。
・定期検診には人間ドックがおすすめ
甲状腺がんは大部分が低危険度がんと呼ばれるタイプで、進行は非常に緩やかです。
早めに発見して治療を始めれば90%は治ると言われていますので、定期的に甲状腺の状態をチェックしてがんの発症に備えるようにしていただきたいと思います。
なお、がんの定期検診には人間ドックがおすすめです。
通常の手続きでは病理診断などの順番待ちをしなければなりませんが、人間ドックは必要な検査項目を一度に受診するシステムなので、細胞診が必要だと医師が判断すればそのまま病理診断に進められるのです。
人間ドックは2年に1回から1年に1回の受診が適切とされています。 がん家系の方、体調に不安がある方、別の疾患を抱えている方は1年に1回程度人間ドックで健康状態を確認しておくといいでしょう。