禁煙治療とは?進め方や続けるポイントを解説

「禁煙したいけれど、自分の力だけでは難しい」このような悩みを抱えている人は少なくありません。
タバコをやめたいと思いながらも、ニコチン依存症のために何度も挫折を繰り返してしまうケースは多いものです。
そこで、専門の医療者からのアドバイスをもらいながら禁煙に取り組み、禁煙に成功しやすいのが「禁煙治療」。
この記事では、禁煙治療の基本情報を始め、治療の進め方や成功させるポイントまでをわかりやすく解説します。
禁煙治療とは
禁煙治療とは、医療機関でニコチン依存症の治療を受けながら、禁煙を目指す方法です。
禁煙に成功できないのは、単に「意志が弱いから吸ってしまう」のではなく、ニコチン依存症による「治療が必要な病気」のためと認められています。
一定の条件を満たした場合は健康保険が適用されるため、比較的低コストで専門的な治療を受けることができます。
保険適用の条件は以下の通りです。
ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)で5点以上
35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
直ちに禁煙を希望している
禁煙治療についての説明を受け、治療を受けることに同意している
禁煙治療では、治療薬と適切なアドバイスにより「自力で禁煙」よりも確実に禁煙できます。厚生労働省による調査では、約7割の患者が禁煙に成功したことがわかっています。
禁煙治療の進め方
禁煙治療は、12週間(約3カ月)、全5回のプログラムで進みます。
初回診察では、問診や検査、禁煙開始日の決定などが行われます。
まずは、喫煙状況や呼気一酸化炭素濃度等の測定によるニコチン依存度などを確認。問題点を把握してアドバイスを受けた後に、禁煙補助薬を選択し処方してもらいます。
2~4回目の診察では、禁煙の進捗状況や離脱症状の有無を確認し、必要に応じて薬の調整を行います。
最後、5回目の診察では、禁煙の成果を確認し今後の生活についてのアドバイスを受けます。
受診のタイミングは、2~3回目の診察を2週間ごとに、4~5回目の診察は4週間ごとです。
禁煙中、補助薬による副作用や不安などがある場合は、次の診察まで待たずに相談可能なため、一人で悩まずに早めに医師に相談しましょう。
禁煙を続けるためのポイント
禁煙治療を成功させるためには、医療機関による治療だけでなく日常生活での工夫も大切です。
禁煙を続けるためのポイントを確認していきましょう。
1. 禁煙補助薬を正しく使う: 医師の指示通りに使用し、自己判断で中断しないようにしましょう。
2. 周りに禁煙宣言をする: 家族や友人に宣言することで、サポートを得やすくなります。
3. ガムや飴を用意する: 禁煙を始めると口さみしくなりがちです。ガムや飴など、口さみしさを紛らわすものを準備しておきましょう。
4. 禁煙日記をつける: 禁煙による体調の変化や節約できた金額を記録すると、モチベーションを維持しやすくなります。
5. 禁煙アプリを活用する: スマートフォンの禁煙支援アプリで、努力している自分を可視化すると励みになります。
6. リラックスする: 禁煙中はストレスがたまりやすいため、深呼吸やストレッチなどをしてリラックスしましょう。自分なりのリラックス法を考えるのもおすすめです。
まとめ
喫煙は、がんを始め多くの疾患と密接な関係があります。ですが、健康を守るために禁煙をしようとしても、途中で挫折してしまう人は少なくありません。
禁煙治療は、医師のサポートを受けながら、計画的に禁煙を進める方法です。自力での禁煙成功率が3〜5割程度なのに対し、禁煙治療を受けると成功率は約7割に向上するというデータもあります。
将来の健康を守るため、自力での禁煙が難しい場合は、禁煙治療を受けてみてみるのも良いですね。