森林浴で免疫力が高くなる?効果的なやり方を解説
樹木が立ち並ぶ公園などを散歩すると、「何故だかわからないけれど気分がすっきりした」という感覚になったことがありませんか?
これは森林浴による効果のひとつかもしれません。森林浴とは、森林の中に身を置き自然や森林の澄んだ空気を感じることです。森林浴が人に与える効果は科学的にも証明されており、ストレス解消や予防に役立つことがわかっています。
森林浴の効果
森林浴による効果には以下の3つがあります。
NK(ナチュラルキラー)細胞を増加させる
ストレスホルモンを減少させる
副交感神経の活動を活発にさせる
それぞれ解説していきます。
NK(ナチュラルキラー)細胞を増加させる
森林浴をすると、血液の中に10~30%ほど存在しているNK細胞が増加することがわかっています。NK細胞の働きは、ガン細胞やウイルスに感染した細胞を発見して攻撃することです。このためNK細胞が増加すれば、さまざまな病気に対する免疫力が高まります。
実験によるデータでは、2泊3日の森林浴で増加したNK細胞は、1カ月後でも23%高い状態を維持できることが判明しています。
ストレスホルモンを減少させる
森林浴をすると「フィトンチッド」と呼ばれる、樹木が作り出す物質により、ストレスホルモンを減少させる効果があることが確認されています。
私たちは過剰にストレスがかかると、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールが慢性的に増えてしまうと、不眠症やうつ病、生活習慣病を発症させるリスクとなります。
林野庁の実験では、森林の中で座っているときと都市内で座っているときとでコルチゾールの濃度を比較すると、森林の中で座っている方がコルチゾールの濃度が13%減少することがわかりました。
フィトンチッドの効果はストレスホルモンを減少させる以外にも、消臭・脱臭や除菌・殺菌効果などの効果があることもわかっています。
副交感神経の活動を上昇させる
森林浴をするとマイナスイオンによる影響で、交感神経が抑制され副交感神経の活動が上昇します。
林野庁の、「実際に森林及び都市を歩き、リラックス状態を図るフィールド実験」では、森林の中では都市を歩いたときと比べ、2倍程度の副交感神経活動が上昇していることがわかりました。
森林浴により副交感神経の活動が上昇すると、血管が拡張して血液の流れを良くしたり、心拍数を下げたりする効果があり、心身ともにリラックスができる状態になります。
森林浴の効果的なやり方
森林浴による有益な効果をもたらすフィトンチッドの濃度は、6~8月の正午前後が一番濃いことがわかっています。そのため、午前中から正午にかけた時間帯に森林浴をおこなうことがオススメです。
森林浴をおこなうときには、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感すべてで自然を感じましょう。
樹木の活き活きとした緑や元気に動き回る動物たち、鳥のさえずりや草花が風に揺られてサワサワと動く音、土や草のにおい、柔らかい葉っぱの感触や清々しい空気。
五感すべてを使うことで自律神経が刺激され、リラックスできます。
まとめ
森林浴には免疫力を高める効果や、ストレスホルモンを減少させる効果があり、日々ストレスと向かい合っている現代人にオススメです。
時間がない場合は、樹木が多い家の近くの公園で15分くらい森林浴をするだけでも効果はあります。しかし、もしも時間ができたときには、ハイキングや登山をしていつもとは違う日常を体験してみてはいかがでしょうか。
より澄んだ空気や四季折々の景色に魅了されることと思います。