寝ながら呼吸が止まる!? 睡眠時無呼吸症候群について

コラム

「きちんと寝ているはずなのに、寝た気がしなくて疲れがとれない」
「昼間に逆らえないほどの眠気を感じる」
こんな症状が現れたら睡眠時無呼吸症候群かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群とは文字通り夜中に呼吸が止まる病気ですが、実は熟睡できない以上の負担が体にかかっているのです。
今回は睡眠時無呼吸症候群の危険性と、その見つけ方についてご紹介します。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群とは「睡眠中に10秒以上、1晩につき5回以上呼吸が止まる状態」のことをいいますが、自覚症状としては睡眠が妨げられることによる昼間の強い眠気や倦怠感などが挙げられます。
睡眠時無呼吸症候群には脳から呼吸の指令が出なくなる「中枢性睡眠時無呼吸タイプ」と、空気の通り道が塞がる「閉塞性睡眠時無呼吸タイプ」とがありますが、全体の9割が後者のタイプとなっています。

また「閉塞性睡眠時無呼吸タイプ」は肥満とも関係があります。
太っている方が仰向けに寝ると、舌の奥が喉の奥に落ちこんで気道を塞ぐため、大きないびきをかきやすくなります。

■ 睡眠時無呼吸症候群でかかる病気

睡眠時無呼吸症候群によって呼吸が止まると体の各器官への酸素供給量が低下するので、酸素を送るために心拍数や血圧が上昇します。
そのときにまるで運動をした後のような負担が、呼吸がストップするたびに脳や心臓、血管にかかるのです。
そのため睡眠時無呼吸症候群になると、高血圧や脳卒中などの循環器系の病気にかかりやすくなります。

また睡眠時無呼吸症候群になると、夜中に何度も低酸素状態に陥ります。
血圧は夜間に下がり、日中に上がる傾向にあるのですが、寝ているときも血圧が高い「高血圧」の状態のままだと血管は強いストレスにずっとさらされ続けるため、脳卒中や脳梗塞、くも膜下出血などを招くともいわれているのです。
このように睡眠時無呼吸症候群になると、さまざまな病気のリスクがあるのです。

■ 睡眠時無呼吸症候群の見つけ方


自分が睡眠時無呼吸症候群かもしれないと思ったら「パルスオキシメーター」を使って調べてみましょう。
パルスオキシメーターとは光を利用して、血液中の酸素と結びついているヘモグロビンの割合を測定するというものです。
使い方は測定器に指先を入れるだけなので痛みはありません。
測定値はすぐに表示されますが、脈拍が安定する20~30秒後の数値が正しい測定値となります。

睡眠時無呼吸症候群は自覚症状だけでは診断できないので、パルスオキシメーターを一晩装着して就寝し、夜の間にどのように血液中の酸素濃度が変化しているかによって、睡眠時無呼吸症候群かどうかを診断しましょう。

睡眠時無呼吸症候群が招く合併症は命にも関わりますが、診断を受けている方はごくわずかです。
自分が睡眠時無呼吸症候群かもしれない、と思ったらすぐに受診をしましょう。

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