胆管がんの罹患率と死亡率、生存確率を上げる方法とは?

コラム

胆管がんの罹患率と死亡率、生存確率を上げる方法とは?がんの罹患率は年々上昇し続けています。同時にがんによる死亡率も上昇しており、今や誰もががんリスクを背負っているということを自覚しつつ、人生を計画しなければならない時代になったといえるでしょう。
全がんの中には、罹患率と死亡率が同率という、致死率が絶望的に高い種類があります。
しかし、「胆管」を含む胆道がんの場合、2013年に記録された罹患率2%に対して2016年度の統計では死亡率1%。およそ半数が生還している計算になります。
生存確率を上げる最大のポイントは「早期発見」です。早期発見に役立つ検査をご紹介しますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

全がんのなかで「胆道がん」はどのような位置づけなのか

・がん統計によるがん罹患率と死亡率

がん統計による全がんの生涯罹患リスクは、2013年時点で男性62%、女性46%を記録しました。その中で胆管を含む胆道がんの罹患率は男女ともに2%でした。
2016年の情報に基づくがん死亡リスクは全がんで男性25%、女性16%、その中で胆道がんは男性1%、女性が0.9%でした。
胆道がんは罹患した患者のうち2人に1人が死に至るがんというわけです。

・胆道がんについて

胆道は、すい臓や肝臓とつながっている器官です。そのため、胆道のどこかに発生したがんは、すい臓や肝臓を巻き込んで成長していくという特徴があります。
すい臓や肝臓にがんが拡大すれば生還は非常に困難になるので、定期的に胆道、とくに胆管の状態を確認して変化を把握しておくことをおすすめします。

胆道がんの早期発見に役立つ検査

胆道がんの早期発見に役立つ検査

・「胆管」の状態確認には「MRCP」を!

人間ドックなどでは、人気の検査項目に「MRCP」というものがあります。
MRCPは非常に強い磁気を用いた画像診断で、とくに胆道の「形態」を描出する点に特化した検査方法です。
旧来の造影検査では内視鏡を挿入したり、造影剤を投与したりする必要があり、検査後の合併症リスクを念頭に置いて処置しなければなりませんでした。
MRCPでは検体の採取などはできませんが、身体への負担を避けられるため利用しやすい検査というわけです。

・がんは特定の部位だけでなく全身でチェックしたい

近親者にすい臓がん、肝臓がん、胆道がんの罹患歴がある方には「MRCP」という検査が有益であることは間違いありません。しかし残念ながら、がんは全身のあらゆる場所で起こりうる病気です。
がん家系の方は特定のがん以外もリスクが高くなりますので、できるだけ総合的に身体の状態をチェックしておくようにしていただきたいところです。
がんを検出するための検査を効率的に受診する手段として「人間ドック」があります。人間ドックでは医師と相談のうえで必要な検査項目を選び出し、組み合わせてスケジュールを組みます。
費用や所要時間、調べたい内容に沿ったオリジナルのコースで受診できるうえ、単独でそれぞれの検査を受診するより費用を抑えられるので、がんリスクを持つ方はぜひ検討してみてください。

人間ドックはお近くの病院でも気軽に受けていただけます。
ただし、MRCPのような検査の場合は設備が整った施設でしか実施していませんので、ご希望の際には実施しているかどうか確認してから医師に相談なさるといいでしょう。

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