実は大切な臓器「胆嚢」の健康を守ろう! 病気と検査

コラム

実は大切な臓器「胆嚢」の健康を守ろう! 病気と検査成人病検診やがん検診の普及によって胃腸や乳房、前立腺の状態を気にする方は増加傾向にあると見られています。しかし、主要な臓器の一部でありながらあまり注目されずにいる臓器もまだまだあります。例えば「胆嚢」です。
胆汁を蓄積する極めて重要な器官でありながら、その役割や病気リスクについてはそれほど意識されていないのではないでしょうか。
では、胆嚢とはどんな臓器でどんな病気があるのかご紹介したいと思います。

「胆嚢」を知ろう!役割と病気

・胆嚢はこんな臓器
胆嚢は肝臓とつながった袋状の器官で、肝臓から分泌される「胆汁」を一時的に蓄積します。
胆汁は食物に含まれる脂肪を消化するために、肝臓から分泌されます。分泌直後は濃度が低いため、胆嚢で約5~10倍に濃縮されます。そして、食物が十二指腸へ入ってくると胆嚢から胆汁が排出されます。

・胆嚢に起こる病気は?
消化器系の器官で多い病気は、当然ながら胆嚢にも起こり得ます。例えば胆嚢結石。胆嚢内部に結石が生じて胆汁の蓄積や濃縮に支障が生じます。
さらには肝臓で生じた結石が胆管に落ちて「胆管結石」になるケースも考えられます。この場合は胆汁が流れなくなってしまうため、胆管閉塞という危険な状態になります。
そのほか、胆嚢炎、胆嚢がん、胆嚢ポリープなどの病気もあります。

病気リスクを管理する

・胆嚢の病気を調べるための検査
胆嚢の病気を調べるために有効な検査は「血液検査」や「尿検査」が代表的ですが、体内の状態を確認する画像検査も欠かせません。
「腹部超音波検査」は被爆のリスクもなく簡便に施行できます。ただし、腫瘍の有無に加えてより詳細な形状や位置を調べたい時には「腹部CT検査」が便利です。
詳細に血管や胆嚢、胆管の状態を調べるためには「MRI検査」を活用した高度な「MRCP」を行います。「MRCP」は胆管や膵管の細部に焦点をあてて精密に撮影する画像検査で、エックス線を使用しないため侵襲性がなく、身体が弱っている方でもほぼノーリスクで受診できる点が魅力と言えるでしょう。
また、異常が確認されたり、上記の検査で診断が難しい場合には「腹部内視鏡検査」や「組織検査」に進みます。治療のために重要なステップです。

・高度な検査は人間ドックで受けたい
上記でご紹介したような高度な検査項目は、ひとつひとつの費用が高額になるため、単独受診では患者様や付き添いの方への負担が大きくなります。また、検査ごとの待ち時間や通院負担も膨れ上がるばかりなので、最初からすべての検査項目がセットになっている「人間ドック」の活用をおすすめします。
人間ドックでセットにすると費用も優遇されますので、その先の治療や予後の生活まで見据える方は、ぜひ医師に人間ドックでの検査受診と、選ぶべき項目について相談なさってください。

実は大切な臓器「胆嚢」の健康を守ろう! 病気と検査
人間ドックは受診する方の意思や、健康状態、希望する費用の上限などに応じて検査項目を組み合わせられます。どこまで削れるのか、また、どこまで調べるべきなのかしっかり確認したうえで受診するようにしましょう。

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