妊産婦でも人間ドックは受けられるの?

コラム

誰にでも病気になるリスクはありますが、それは妊娠中の女性であっても同様です。しかし、妊産婦には薬などの禁忌があります。病院を受診するにもさまざまな制限や注意が必要で、そのために検査すらためらってしまう女性が少なくありません。
人間ドックの子宮頸がん検査ならば20代後半から。そして、乳がん検診ならば30代以降受診が推奨されていますが、この適齢期に該当する女性の中で妊娠中の方に関する注意点をご紹介します。ぜひ参考になさってください。

妊娠中に受けられない人間ドックの検査項目と注意事項

・妊娠中に受けられない検査項目
妊娠中に受けられない検査項目は以下の通りです。人間ドックの基本となるものばかりなので、基本的には「妊娠中の人間ドックは避けるべき」と考えていいでしょう。

・マンモグラフィー
・胃部レントゲン撮影
・胸部レントゲン撮影
・胃カメラ
・血液検査


エコー検査などは胎児の状態を確認するために実施しますし、尿検査や血圧測定も母体の状況を確認するために行いますから、厳密に「受けられない」とは言い切れません。しかしいずれも妊娠期間中特有の結果が出る点には留意する必要があります。
エックス線撮影を伴う検査「マンモグラフィー」「胃部レントゲン撮影」「胸部レントゲン撮影」「胃カメラ」については胎児に影響が出る可能性があるため、妊娠中の女性については望ましくないのです。
血液検査については妊娠中でも影響はないという説、あると言う説がありますから、必要性がリスクより勝る時に限って実施する判断力が必要になるでしょう。

・妊娠中の検査の注意事項
妊娠中の母体は体調不良が起こりやすく、風邪その他の不調が出ることも多々あるはず。そうした場合に病院の受診が必要になるケースもあると思われますが、何かしら検査を受けなければならない時には前もって「妊娠中である」と病院スタッフ、そして医師本人に伝えましょう。不用意な刺激を与えられないように注意してください。

妊産婦の病院との付き合い方


・妊産婦には「妊婦検診」がおすすめ
妊娠中の検査は「妊婦検診」として受けることをおすすめします。産科、産婦人科で受診するといいでしょう。内容は妊産婦に特化しているため上記のような心配がありません。
妊娠初期から定期的な受診が推奨されるもので、6カ月までは4週間に1回の頻度で、妊娠後期に入ると9カ月までは2週間に1回。出産間近になってからは1週間に1回のペースになります。内容は以下の通り。

・体重測定
・血圧測定
・子宮底長測定
・腹囲測定
・尿検査
・浮腫検査
・内診
・エコー(超音波)検査


胎児の成長度合いや母体の状況を確認し、妊娠中毒症や妊娠糖尿病を予防したり、治療の必要性を判断したりします。また、エコー検査で胎児の画像診断を行えば赤ちゃんが宿っている実感を得られるはずです。

・人間ドックは産後半年程度経ってから
人間ドックというくくりになると放射線を活用した検査内容が多くなるので妊娠中や授乳期には避けるべきと言われています。
しかし病気、症状の不安がある方はなるべく早く病気の有無を確認したいですよね。妊産婦は出産してからどのくらいで人間ドックを受けられるようになるのか。もちろん個人差やそれぞれの事情があるはずなので画一的な回答はありませんが、おおむね半年ほど出産から経過すれば人間ドックを受けられるようになるでしょう。
どうしてももっと早く詳細検査を実施したいという場合には、日ごろ付き合いのある医師に相談することをおすすめします。

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