若年性認知症の初期症状は?高齢者の認知症との違いとは

コラム

認知症といえば「高齢者がなるもの」だと思われていることが多いのですが、若い世代でも発症してしまうことがあります。若年性認知症の場合、発症年齢が若いため、まさか自分が認知症だなんて思わずに、診断が遅れてしまうことも。
若年性認知症は進行スピードが速いので、できる限り早期に発見・治療を始めることが重要です。
本記事では、若年性認知症の初期症状や、高齢者の認知症との違いについて解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

若年性認知症とは?

若年性認知症は65歳未満で発症する認知症のことで、発症する平均年齢は51歳です。最も多い原因は、脳卒中のあとに起きる血管性認知症で、若年性認知症の約40%を占めています。
年齢的に現役世代の働き盛りであることも多く、結婚をしている場合は配偶者などが経済的負担を抱えることになります。経済的理由などで生活環境が大幅に変化してしまい、小さい子どものいる家庭では、子どもの精神状態に強く影響を与える可能性もあります。
さらに、若年性認知症の場合は、介護する側が高齢の親というパターンが考えられますが、体力的にも精神的にもいつまで続けることができるのかという不安に襲われてしまうということも起こります。

若年性認知症の初期症状とは?

若年性認知症の初期症状には以下のようなことがあります。
・ 時間や場所がわからなくなる
・ 新しい記憶が思い出せなくなる
・ 周りに気遣うことができなくなる
・ 言葉が理解できなくなる
・ 怒りっぽくなる

頭痛・めまい・不安感など、「仕事のストレスかな?」と思われることが若年性認知症の初期症状である可能性があります。しかし、年齢が若いことで、若年性認知症とは思わずにうつ病などと勘違いをしてしまい、診断に遅れが出てしまうことがあります。

若年性認知症になりやすい人は?

若年性認知症になりやすい人には、以下のような特徴があります。
・ 協調性がない人
・ イライラしやすい人
・ 運動をしない人
それぞれ解説していきます。

協調性がない人

協調性がない人は、他人とコミュニケーションをとる機会が少なく、孤立しやすいものです。そのため、人と話すことがなくなり、脳を活性化することができなくなってしまいますので、若年性認知症になりやすい、といわれています。

イライラしやすい人

イライラしやすい人とは、付き合いを避けたいと感じてしまいますよね。そのため、他の人が近づいてこなくなり、孤立してしまいます。また、イライラすることは、血圧の上昇につながってしまうので、脳卒中を発症するリスクも高まってしまいます。

運動をしない人

日頃から運動をあまりしない場合、体の血液の流れが悪くなり、血栓ができることがあります。血栓ができてしまうと、血管を詰まらせてしまうリスクがあり、脳卒中などを引き起こす要因となります。

高齢者の認知症との違いは?

高齢者の認知症と若年性認知症の違いには以下のことがあげられます。
・ 発症年齢が若い
・ 男性の発症率が高い
・ 進行スピードが速い

発症年齢が若い

高齢者の認知症と若年性認知症の一番違いは、発症年齢が違うことです。年齢が若いことでまさか自分が認知症とは気付かずに受診が遅れる場合があります。
周りの家族からみて、最近急に怒りっぽくなったなどの変化が見られたら、受診をすすめることで早期発見につながります。

男性の発症率が高い

高齢者の認知症は女性の発症率が多いのに比べて、若年性認知症は男性が多い傾向にあります。

進行スピードが速い

若年性認知症は進行が早く重症化しやすいといわれており、高齢の認知症と比べると約2倍のスピードで進行します。早期発見と早期治療が、進行を遅らせることにもつながります。

まとめ

若年性認知症は、自分では気づかないうちに進行していることがありますので、周りの家族が気付いた場合は、早急に受診をすすめましょう。進行スピードが速い若年性認知症ですが、早期発見と早期治療で、進行を遅らせることができる可能性があります。また、若年性認知症で最も多い原因の血管性認知症は、脳卒中が代表的な疾患です。定期的に脳ドックをおこなうことで、脳疾患のリスクを把握することができますので、人間ドックを受診する時など、一緒に受けてみることがオススメです。

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