糖質は脂肪にならない!本当に脂肪になるのは…

コラム

ダイエットの選択肢として糖質制限が主流になっていますよね。糖質を制限し、タンパク質と脂質でエネルギーをまかなうという方法です。
しかし実は、糖質は脂肪になりにくいということを知っていましたか?そして本当に脂肪になりやすい栄養素があるのです。
ここでは、そんな糖質制限の間違った知識について紹介していきます。

糖質は脂肪にならない!本当に太るのは…


今までは、カロリーオーバーして過剰摂取してしまった糖質は、脂肪になると考えられていました。しかし実は、余った糖質は脂肪にならないことがわかっています。実は余った糖質が脂肪になるのはラットの話で、ラットに7割や8割の高糖質食を食べさせたら、それは脂肪になってしまいます。なぜかというとラットは人間と違って、脳がほとんどなくて糖質が必要ないからなのです。
そして1999年、アメリカ生理学会で発表された論文で、この実験を人間を対象に行いました。棺桶のような装置に人を寝かせて24時間、炭酸ガスと窒素と酸素の量を測定して代謝量をコンピューターで分析したのです。
それによると、タンパク質や炭水化物は摂取量を増やしても代謝や熱に変換されてほとんど消費されていましたが、脂肪を増やすと24時間以内にすべて体脂肪になっていたのです。また、過剰な炭水化物を摂っても、肝臓で1日10g以上の脂肪を合成することはできないという結果が出ています。
つまり、日本人が太ったのは脂肪過多の食生活になったからなのです。
また、アメリカ生理学会の論文集で発表された衝撃的なレポートでは、被験者に4日間同じものを食べさせて体重が変わらない条件を整えたうえで、すべての栄養素を1.6倍に増やして与えたところ脂肪だけが体脂肪として蓄積されたこともわかっています。

糖質制限で痩せるのは錯覚だった!


では、なぜ糖質制限が流行り、痩せると話題になったのでしょうか。それは、単純に体の水分が抜けて体重が減少するからです。
よく、3日間の糖質制限で2kg痩せたという話を聞きますよね。しかし1kgを体脂肪に換算すると7,200キロカロリーの消費が必要になります。4日間まるまる断食するのとちょうど同じエネルギーです。もし2kgの脂肪が落ちたとしたら、8日間断食したことになりますよね。8日間も断食するのは、あまり現実的な話ではありません。
また、脂肪2kgといえば容積にして500mlのペットボトル4本分で、これが本当にカラダから一気に取り除かれたとしたら大変なことになってしまいます。
つまりこの2キロは、ほぼ炭水化物にくっついている「水分」なのです。
1992年に報告されたアメリカの臨床栄養学のデータでは、1日405キロカロリー分の食事しかしない超低エネルギーダイエットを4日間続けたらどうなるかという実験が行われました。その結果、体脂肪の減少はほとんどなく、体重は多い場合で4〜5kg減る可能性があるという結果だったそうです。
体内に蓄積されている糖質、グリコーゲンには1個の分子に水が3〜4倍結合しています。そのため、筋肉や肝臓は水分をたっぷり含んでいて重いのです。
そして、炭水化物を抜くとグリコーゲンが枯渇するので逆の現象が起きるという仕組みなのです。
つまり、糖質制限で落ちたのは水分であり脂肪はほとんど落ちておらず、むしろエネルギー源の糖質が枯渇し筋肉が落ちてしまいます。
結果的に、痩せにくく太りやすい体質になってしまうことがわかっています。

まとめ


ここまで、糖質が脂肪になりにくい理由や、糖質制限のデメリットについて紹介してきました。
糖質制限はあくまで血糖値やインスリンの働きに問題のある糖尿病患者の治療であり、一般の人はおこなう必要がないということがわかりましたね。
バランスよく食べ、正しいダイエットを実行したいですね!

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