健康寿命と平均寿命の違いは?日本人の現状と課題も解説

少子高齢化社会が進む日本において、単に長生きするだけでなく「健康に長生き」することへの重要性が高まっています。
健康に長生きするために必須なことは、健康寿命を延ばすことです。
本記事では、健康寿命と平均寿命の違い、日本人の現状と課題、そして健康寿命を延ばすポイントについて解説します。
健康寿命が何かについて興味を持っている場合、参考にお読みください。
健康寿命と平均寿命の違いとは?
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。一方、平均寿命は「何歳まで生きられるか」という単純な寿命の長さです。
平均寿命から健康寿命を引いた期間は、何かしらの介護や支援が必要な状態で過ごす期間といえます。健康寿命と平均寿命の差が小さいほど、自律した生活を長く送れることを意味しています。
健康寿命を考えることは、単に長生きするだけでなく、生活の質を維持しながら生きることに焦点を当てた考え方です。人生100年時代と言われる今、健康寿命を考えることはますます重要になっていくでしょう。
健康寿命|日本人の現状と課題
厚生労働省のデータによると、令和4年の日本人の平均寿命は男性が81.05歳、女性が87.09歳。一方、健康寿命は男性が72.57歳、女性が75.45歳です。
この差は男性で約9年、女性は約12年で、この期間は何かしらの介護や支援を受けながら生活することになるでしょう。
これを踏まえた日本人の健康寿命に関する課題は以下のことがあげられます。
健康寿命と平均寿命の差が大きい
生活習慣病の増加
社会的孤立
特に女性は平均寿命が長い分、健康寿命との差が大きくなりがちです。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病は年々増加しており、健康寿命を短縮させる原因となります。
さらに、社会的孤立も身体および精神面への健康に悪影響を与えることがわかっています。
健康寿命を延ばす生活習慣のポイント
健康寿命を延ばすには、日常生活で以下のような取り組みが重要です。
1. バランスの良い食生活
・主食・主菜・副菜をバランス良く摂取する
・塩分。糖分の摂取を控えめにする
・海藻類や穀類などの食物繊維・ナッツ類や柑橘類などの抗酸化物質を多く含む食品を取り入れる
2. 適度な運動習慣
・週に合計150分以上、息が少しはずむ程度の運動を行う
・スクワットやプランクなどの筋力トレーニングを週に2回程度取り入れる
・階段を利用するなど、日常生活での活動量を増やす
3. 質の良い睡眠とストレス管理
・規則正しい睡眠習慣を心がける
・ストレスを溜めない生活環境を整える
・適度な休息時間を確保する
4. 社会とのつながり
・趣味やボランティア活動に参加する
・定期的に家族や友人との交流を行う
・地域コミュニティに参加する
5. 定期的な健康チェック
・年に1度、健康診断を受ける
・体に異常を感じたらすぐに医療機関を受診する
・かかりつけ医を持つ
健康寿命を延ばすためには、バランスの良い食事・適度な運動・質の良い睡眠・社会とのつながり・定期的な健康チェックが欠かせません。これらに特別なことはひとつもなく、日常生活の中で少しずつ取り入れられる習慣です。
すぐに取り組みを始めることで、将来的な自分の健康寿命を延ばすことにつながるでしょう。
まとめ
健康寿命と平均寿命の差を縮めることは、自律した質の高い生活を長く続けるためのポイントです。日本人は、健康寿命と平均寿命の差が約8.5~11.6年あり、いかに期間を短くするかが課題となっています。
健康寿命を延ばすことは、単に個人の生活の質を高めるだけではありません。社会全体の医療費や介護の負担を減らすことで、医療や介護費に充当していた財源を他分野に振り替えることができ、日本全体の質をあげることにつながるのです。