ヴィーガンとは?得られるメリットや注意点を解説

コラム

動物性食品を一切摂らない「ヴィーガン」。健康志向や環境保護への意識の高まりから、日本でも徐々に関心を集めています。しかし、具体的にどんなライフスタイルなのか、ベジタリアンとの違いや注意点まで知っている方は意外と少ないかもしれません。
この記事では、ヴィーガンの特徴や実践によるメリット、注意点についてわかりやすく解説します。

ヴィーガンの特徴とは?ベジタリアンとの違い

「ヴィーガン(vegan)」とは、動物性の食品や製品を一切摂取・使用しない完全菜食主義者のことです。動物を搾取しないという倫理的信念に基づき、肉・魚はもちろん、卵・乳製品・蜂蜜なども口にしません。さらに、衣類や日用品、化粧品なども動物由来の成分や動物実験を避けた製品を選ぶ傾向にあります。
一方で、「ベジタリアン」は、主に動物の肉や魚を食べない人を指しますが、卵や乳製品を摂取するタイプも多く、ヴィーガンよりも制限は穏やかです。
このようにヴィーガンは、単なる食事スタイルではなく、生活全般で動物搾取を避けるライフスタイルである点が特徴です。

ヴィーガンを実践して得られるメリット

ヴィーガンを実践することで、さまざまなメリットが得られるといわれています。
健康面では、動物性脂肪やコレステロールの摂取が減るため、肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクが下がるとされています。食物繊維を豊富に含む植物性食品中心の食生活は、腸内環境の改善や肌トラブルの軽減にもつながります。
また、環境面での貢献も見逃せません。畜産業は大量の水資源を消費し、温室効果ガスの排出も多いため、食生活を見直すことで地球環境にもつながると考えられています。

さらに、「動物を搾取しない」という行動が精神的な充実感や自己肯定感を高めるという声もあり、自分の価値観や信念に沿った生き方としてヴィーガンを選ぶ人も増えています。

ヴィーガン生活で注意すること

一方で、ヴィーガン生活には注意すべき点も存在します。

栄養素の不足

ヴィーガンで特に注意する点は、タンパク質・ビタミンB12・鉄分・カルシウムなどの栄養素が不足しやすいことです。これらは動物性食品に多く含まれるため、植物性食品だけでは不足しがちです。豆類・ナッツ・海藻・植物性ミルクなどを積極的に取り入れたり、必要に応じてサプリメントを活用したりしましょう。

取り扱い店舗の少なさ

日本では、ヴィーガン対応の飲食店がまだ少なく、外食や旅行の際に、食事の選択肢が限られることもあります。家族や友人との食事の場で、周囲との調整に苦労する場面もあるでしょう。

経済的な負担

植物性ミートや豆乳チーズ、アーモンドミルクなどの代替食品は、一般的な動物性食品よりも価格が高い傾向です。そのため、ヴィーガンの食費が1.5〜2倍程度になることもあります。ただし、豆類や穀物などの基本食材を中心とした食事にすれば、コストを抑えることも可能です。

体質との相性

急にヴィーガンに切り替えると、消化不良や疲労感、貧血などの症状が出ることがあります。特に、成長期の子どもや妊娠中の方、高齢者は、医師や栄養士に相談してから始めるのが安心です。持病や薬の服用がある場合も、食事制限が治療に影響することがあるため、専門家への相談をおすすめします。

まとめ

ヴィーガンとは、動物性の食品や製品を避けるだけでなく、動物搾取を避けるという思想に基づいたライフスタイルです。健康への効果や地球環境への配慮、動物愛護といった多くのメリットがある一方で、栄養バランスや社会的な課題にも気を配る必要があります。
すべてを完璧に実践する必要はありませんが、自分の価値観に合った範囲で取り入れてみることで、食や生き方への意識が高まるかもしれません。まずは日々の暮らしの中で、無理のない範囲から取り入れてみるのがおすすめです。

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