冬の心筋梗塞に気をつけて!

コラム

 寒い季節になると、心筋梗塞で病院に運ばれる患者さんが増える傾向にあります。全国的に見ると、1月に最も件数が多くなることが国立循環器病研究センターの調査でわかっているそうです。ここでは、冬に心筋梗塞が多くなる理由や、心筋梗塞そのものの原因、予防する方法を紹介しています。

冬に心筋梗塞が多い理由

はじめに、心筋梗塞は心臓に血液を送る血管が詰まり、心臓の一部が壊死してしまうという病気です。これは、動脈硬化が進行してしまったり、血の塊が出来てしまったりすることによって引き起こされます。心筋梗塞によって亡くなる人は、やはり冬に多くなることが分かっています。特に1月に最も件数が多くなるようです。
冬に心筋梗塞が多い理由としては、暖かい室内から寒い屋外に移動するときに血圧が急激に上昇することが挙げられます。この急激な気温の寒暖差が、心臓へ負荷をかけてしまい心筋梗塞を起こしてしまいます。特に多いのが、朝風呂をするときに心筋梗塞が起こることです。寝起きで急に風呂場の寒いところに移動することで、心臓に大きなストレスがかかってしまうのです。寒さによって心臓の血管が過剰に収縮してしまうことも、原因のひとつとして考えられています。

冬の心筋梗塞を防ぐ方法

 冬の心筋梗塞を防ぐためには、急激な温度の変化を避けることが大切になってきます。急激な温度変化は、高血圧や心臓にも大きな負担がかかるので、その原因を排除していきましょう。まずお風呂に入るときは、脱衣所と風呂場を暖房機能で暖かくしておくことをおすすめします。設定温度としては38~40度です。42度以上は血圧が高くなり逆効果になってしまうので注意してください。また、屋外に出る時は、防寒をしっかりしましょう。コート・マフラー・手袋などを着用するとよいでしょう。特に朝は血圧が上昇しやすいので、外に出るときはとくに注意してください。

心筋梗塞を防ぐ食事①塩分を控える

 心筋梗塞は冬に引き起こしやすいですが、普段からの生活で予防しておくことも大切です。食事の面では、塩分の摂り過ぎに注意してください。血液中に塩分が増えると、血圧が上がってしまいます。1日の塩分摂取量は、6グラム以下に抑えることが推奨されています。塩味になれていると、味覚が麻痺して薄味に感じてしまうこともあります。日々減塩を意識することで、薄味にも慣れていくので、調味料を工夫してみてください。おすすめの調味料は、酢やレモン、スパイスなどです。これらを活用すると味の物足りなさがなくなります。
 また、動物性脂肪を避けることも大切です。動物性の脂肪は、血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を促進させるという報告がされています。ベーコンやウインナーなどの加工肉は高脂質なうえに塩分も多い食材です。心筋梗塞にはもってこいの食材になってしまいますので、頻繁に摂取しないようにしましょう。

炭水化物を控える

ごはんやパンなどの炭水化物の過剰摂取は、糖尿病を引き起こしてしまう要因になります。また、血液中の中性脂肪を増やしてしまうので、悪玉コレステロールの増加につながって、動脈硬化を引き起こしてしまうこともあります。もちろん糖質は活動していくために大切な栄養ですので、完全にカットすることは危険です。今まで大盛りにしていたものを普通の量に減らしてみたり、間食でお菓子を食べていたのを煮干しなどに変えてみたり、小さな変化をさせることで心筋梗塞を防ぐことができるのです。

まとめ

 ここまで、冬に心筋梗塞になりやすい理由や、心筋梗塞を予防する方法を紹介してきました。心筋梗塞を予防するには寒暖差を避けることや、普段の食生活がとても大切になってきます。心筋梗塞は、引き起こすと亡くなってしまうことも珍しくない怖い病気です。普段からの生活に気をつけ、健康的な心臓を保っていきたいですね。

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