骨粗しょう症は健康年齢の大敵! 骨ドックで確かめよう!!

コラム

骨粗しょう症は健康年齢の大敵! 骨ドックで確かめよう!!人生80年と言われる時代、その根拠となる日本人の平均寿命は平成28年7月27日に公表された平成27年度分の集計によると女性87.05年、男性80.79年でした。いずれも前年度の数値を更新した結果です。 しかし、命が終わるまでの時間と、人が人として尊厳を持って自立生活を送れる期限には大きな開きがあります。
他者の介助を必要とせずに生活できる状態の終わりを「健康寿命」と言いますが、人生品質向上のためにはその伸長が欠かせません。
健康寿命をむしばむ要素として特に注目されている「骨粗鬆症」の危険性をご紹介しますので、どうすれば健康寿命を引き延ばせるのか考える参考になさってください。

骨粗鬆症とはどのような病気なのか

・骨粗鬆症は高齢者特有の病気ではない
骨粗鬆症は骨の代謝が緩やかになり、骨密度が減少して構造が弱体化する疾患です。かつては高齢者特有の現象だと思われていましたが、カルシウム不足や過剰なダイエットの影響で若い女性に発症するケースも報告されています。
骨もまた臓器の一部として日々新たな細胞に生まれ変わっているのですが、そのもととなる成分が不足した時、あるいは加齢などによって再生が追いつかなくなった時に骨粗鬆症所の歌いになります。その診断基準は20歳から40歳の平均骨密度を基準として70%未満です。

・骨粗鬆症の患者は予備軍も含めて2.000万人
日本は骨粗鬆症大国と言われています。総人口の約10%、つまり10分の1が骨粗鬆症の症状をすでに有しているとされ、予備軍もあわせればなんと2.000万人ものリスク保持者がいる計算です。
骨は思春期に骨量がピークに達し、以降40歳ごろまでが維持期、そして50代以降は確実に下降します。20代から40代の時期は骨量が増加するとしても数%にとどまるので、ピーク時にどれだけ骨量を蓄えられたかによって、骨粗鬆症リスクが決まると考えていいでしょう。若い頃にあまりカルシウムを摂取しなかった方は危険を自覚するべきです。

骨粗鬆症のリスク管理は定期的な検査で

・骨粗鬆症のリスクを把握するには
先にも述べたように、骨密度はグラフにすると思春期のピーク時から緩やかな曲線を描いて下降線をたどり、ホルモンなどの分泌機能低下とともにその速度を速めていきます。
問題は、身体の内側、かつ骨の内部という目に見えない場所で変化が起こっているということです。些細な負担で骨折し、レントゲン撮影をしてようやく骨粗鬆症に気づくというケースが少なくありません。これを予防するには定期的な状態の確認が必要です。
可能であれば1年に1回、それが難しいようなら、最低でも2年に1回は検査を受けるようにしていただきたいと思います。

・骨粗鬆症による合併症予防には「骨ドック」がおすすめ

骨粗しょう症は健康年齢の大敵! 骨ドックで確かめよう!!
骨粗鬆症のリスク判定には各地の自治体が実施している「骨検診」も有益ですが、こちらは検査項目がどうしても限定されます。他の心配事がある場合や、骨以外にも全身のチェックを行いたい場合にはやはり個別にプランを立てられる人間ドックがおすすめです。
人間ドックは病院ごとに実施する検査項目や使用する機器が異なりますが、「骨ドック」として血液検査、尿検査、画像診断を組み合わせている施設があります。こうしたオプションによる「骨ドック」の加算方式は多くの病院で実施しているので、医師に相談したうえで取り入れるといいでしょう。

日本骨代謝学会の診療ガイドラインによると、診断の際に行うべき検査は「医療面接」「身体診察」「画像診断」「血液・尿検査(骨代謝マーカー含む)」「骨評価(骨密度測定・脊椎エックス線撮影)」などです。近年登場した「二重エネルギーエックス線吸収法(DXA)」という骨密度測定方法によって容易に骨粗鬆症リスクを判定できるようになっています。ぜひ面倒がらず、定期的に病院を受診するようにしてください。

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