風邪で顔が痛くなるのはなぜ?考えられる原因と対処法を解説

コラム

風邪をひいたとき、「鼻づまりと一緒に顔まで痛い」と感じることはありませんか?
ただの風邪の症状に思えても、実は副鼻腔炎など別の病気が隠れている場合もあります。
本記事では、風邪で顔が痛くなる理由や、受診を検討すべきサインについて解説します。

風邪をひいたときに顔も痛くなるのはなぜ?

風邪をひくと鼻の粘膜が腫れ、空気や鼻水の通り道がふさがれることがあります。通り道がふさがれると、鼻の奥にある「副鼻腔」という空洞に空気や鼻水がたまり、圧力がかかります。その結果、この圧力が原因となって、額や頬、目の周りに痛みを感じることが多くなります。

特に鼻づまりが強いときや、鼻水が黄色や緑色に濁っているときは、炎症が悪化しているサインかもしれません。

風邪で顔が痛くなるときに考えられる病気

風邪に伴う顔の痛みのほとんどは自然に回復しますが、まれに別の病気が隠れていることもあります。

急性副鼻腔炎(蓄膿症)

風邪がきっかけで副鼻腔に細菌感染が起こり、急性副鼻腔炎に進展することがあります。
黄色や緑色に濁った鼻水、長引く鼻づまり、顔の圧迫感や頭痛を伴うのが特徴です。放置すると慢性化するケースもあるため注意が必要です。

片頭痛や群発頭痛

片頭痛や群発頭痛は、三叉神経(さんさしんけい)という「顔の感覚をつかさどる神経」が関係しています。この神経はおでこ・頬・あごなど広い範囲を支配しているので、頭痛の刺激が伝わると「顔の奥が痛い」と錯覚してしまうのです。
特に、群発頭痛の症状は目の奥や頬に鋭い痛みが出るため、風邪の症状と重なると、どちらが原因なのかを見分けにくい場合があります。

中耳炎

風邪による鼻や喉の炎症が耳に広がると中耳炎を発症し、耳の奥から顔周辺にかけて痛みを感じることがあります。子どもに多い病気ですが、大人でもかかることがあります。

風邪で顔が痛くなった時の対処法

顔の痛みが軽度で、風邪に伴って一時的に出ているだけなら、こちらで紹介する自宅でできるセルフケアでも改善が期待できます。ただし、痛みが強い場合や長引く場合は、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。

温める

蒸しタオルを鼻や頬に当てると血流が良くなり、鼻づまりの改善にもつながります。市販の温熱シートや入浴も効果的です。反対に、冷やすと血管が収縮して鼻づまりが悪化することがあるので注意しましょう。

水分補給

水やお茶、スープなどでこまめに水分をとることで、粘膜を潤して分泌物を排出しやすくします。加湿器を使って室内の湿度を保つのも有効です。

市販薬の活用

鼻炎薬や抗ヒスタミン薬で、鼻づまりを緩和したり、鎮痛薬で痛みを和らげたりすることができます。点鼻薬は即効性がありますが、長期間の連続使用は逆効果になるため注意が必要です。

十分な休養

睡眠をしっかり取ることで免疫力が高まり、炎症の回復を早めます。無理に動くよりも、体を温めて横になることが症状改善につながります。

ただし、セルフケアで改善しない場合は無理をせず医療機関を受診することが大切です。

風邪で顔が痛いときに受診すべきケース

次のような症状があるときは、自己判断をせずに耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

• 顔の痛みや鼻づまりが1週間以上続く
• 膿のような鼻水が出る
• 発熱を伴っている
• 目の周囲が腫れている

これらは副鼻腔炎や中耳炎などの可能性があり、早期に治療を始めることで悪化を防げます。

まとめ

風邪で顔が痛くなるのは、多くの場合、副鼻腔に炎症が起きて圧力がかかることが原因です。ほとんどは自然に回復しますが、強い痛みや長引く症状があるときは、副鼻腔炎など別の病気が隠れている場合もあります。

「ただの風邪だから」と軽視せず、必要に応じて医療機関を受診し、適切な治療を受けることが安心につながります。

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