顎関節症の治療はどこで受けられる? 検査は治療の第一歩!

コラム

顎関節症の治療はどこで受けられる? 検査は治療の第一歩!あごの関節がスムーズに動かなくなる病気、「顎関節症(がくかんせつしょう)」は同じような症状を伴う他の疾患との鑑別の際、消去法で可能性を絞り込んだ最終到達点となります。
顎関節症と診断された方が治療を受ける診療科は、歯科(口腔外科)です。
とはいえ、最初から顎関節症を疑って口腔外科を訪れる例は多くありません。
肩こりや首の痛み、頭痛、めまいなどを主訴として形成外科や脳神経外科を受診し、さまざまな検査の結果「顎関節症である」という結論に至るケースがほとんどなのです。

これまで原因不明の体調不良に悩まされてきたという方は、ご自分にかかわる可能性のひとつとして顎関節症を疑ってみましょう。

顎関節症と全身症状

・体調不良を引き起こす顎関節症

顎関節は下あごの骨の端が上あごの関節窩にはまり、強力に結びつける靭帯と、可動性のある関節円板がクッションとなって可動性を維持しています。
顎関節症は「顎関節・咀嚼筋の障害」とされており、悪化すれば顎関節の不可逆的変形が起こる他、さまざまな体調不良を招く恐れがあります。

・顎関節から症状は全身へ

ある程度悪化すると顎関節症はそこで症状が止まるという説もありますが、関節の軟部組織の損傷から関節そのものの損傷へと進展し、骨や周辺組織に炎症がおよぶという、顎関節症患者の方がたどる道が分かっています。
慢性的な激しい顎の痛みや可動域の縮小、咀嚼障害からの摂食障害、肩こり、腰痛、めまい、頭痛、耳鳴り、嚥下障害、発話障害、抑うつ症状、自律神経失調症、しびれといったように、顎関節症は全身に波及するのです。
治療を受ければ、このような症状が進行しないようとどめることはできるでしょう。

しかし、顎関節の障害を自覚せず、慢性的な体調不良を放置してしまう方は少なくありません。

顎関節症の治療と検査

・変形が定着した顎関節は自然治癒しない

あごを自由に動かすために、下顎の関節頭を「関節円板」がキャップのように覆って緩やかに結合しています。
ただし、顎関節症になると関節円板は前方などにずれていきます、軽度のうちはずれてももとに戻るのですが、悪化するにつれてずれた位置に定着するようになり、「関節円板の変位」が起こります。
変位した関節円板は自然に当初の位置にもどることはありません。では、そのような顎関節症をどうすればいいのでしょうか。

・検査は治療の第一歩

顎関節症の悪化を防ぐためにも、まずは検査を受けましょう。検査は身体の不調を取り除く治療の第一歩です。
顎関節症の検査では、顎関節症と似た症状の病気と区別するためにまず全身を見ます。その後、顎関節の触診や口腔内検査、MRI検査などを行います。
この中で、顎関節に変形が起こっていた場合に重要視されるのが、全身を見るための検査の1つであるCTスキャンです。
CTスキャンは、エックス線画像撮影を連続的に行って立体画像を生成する画像検査で、骨など水分の少ないパーツの可視化能力に優れています。
そのため、顎関節がどのように変形しているか、関節の内側を視覚的に診断できるわけです。

胆道閉鎖症と日本人
あごの痛みや咀嚼障害といった症状は、顎関節症以外にがんや発作性の神経痛などでも起こります。
いずれにしろ全身の状態を確認する必要がありますから、顎関節症が疑わしい場合には上記の検査をひとつひとつ受診するのではなく、人間ドックで組み合わせることをおすすめします
人間ドックは基本的な検査から確定診断までを一連の流れで受診できる唯一の方法です
未経験の方はぜひ検討してみてください。

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