人間ドックで「難病」が見つかったらまずするべきことは?

コラム

人間ドックで「難病」が見つかったらまずするべきことは?人間ドックの検査で「難病」とされる病気が発見されるケースがあります。罹患率が低く症例が少ない「難病」には誰もが戸惑うことでしょう。だからこそ、その時まず何をするべきかを平常時に把握しておくべきです。
いざというときに困らないように、元気なときに先々の備えを準備しておきましょう。たとえご自身には不要だとしても、家族など深いかかわりを持つ人物に「難病」が起こらない保証はありません。

人間ドックで分かる難病には「指定難病」の区分がある

人間ドックで「難病」が見つかったらまずするべきことは?
・「指定難病」とは?
難病には「発病の機構が不明」「治療方法が存在しない」「症例が希少」「長期療養が必要」などの定義があります。
これらの条件に適応する疾病は現在306疾病が登録されており、これを「指定難病」といいます。該当する病気の治療は助成対象となるので対象者の方は難病指定医への相談を忘れないようにしましょう。

・治療の支援を受けるための手続き
助成金の受給には申請が必要です。まず医療ソーシャルワーカーから医療費助成制度の説明を受けます。そののちに難病指定医の診断、必要書類の作成、保健所か難病相談・支援センターへ申請、さらに3か月から4か月間の審査を経て認定という流れです。

人間ドックで難病が見つかる前に行っておきたいこと

・まずは病気に気づくこと!
病気治療で最も重要なのは、「気づくこと」です。徐々に悪化していくタイプの病気の場合、症状がゆっくりと強くなっていくため発見が遅れがちになります。治療法が確立されていない疾患については、治療の目的は「症状の進行を遅らせること」がメインになると考えていいでしょう。つまり、発見が遅れれば遅れるほど治療が困難になるわけです。
ただし、難病には自覚症状がほとんどないまま急激に悪化するものもあります。その場合は病院で遺伝子検査などを受けて、ある程度リスクの方向性を調べておくといいかもしれませんね。

・指定難病の下地調べとしての「遺伝子検査」
現在、全国の病院が情報共有を進めています。ある疾患を呈した患者二人以上に共通する遺伝因子があった場合、遺伝子検査によってその情報をリスクとして識別できるのです。
遺伝子検査は唾液などから細胞を採取して行います。病院で受診するほか、郵送キットでも利用できますので、不安がある方は利用してみてはいかがでしょうか。

・人間ドックで確定診断を受けて治療へ
検体を採取するタイプの検査項目では、近年は病院に行かなくても分析を受けられるようになりました。
特に遺伝子検査は種類も多く、郵送で気軽に受けられると話題になりつつあります。しかし、病気の予測と発見と治療を目的とした遺伝子検査の場合はカウンセラーや医師の所見が不可欠。また、病院で検査を受けるとしても、一連の流れのまま、疾患名の確定診断と治療に入れるのは人間ドックだけです。
病気の可能性に気づくこと。リスクに関連した身体の変化を見守ること。発症したら即座に察知し、治療を始めること。これらのために、定期的な人間ドックの受診をおすすめします。

治療方法がまだ存在しない指定難病であっても、症状を抑制したり、進行を遅らせたりことで社会復帰する道は残されているのです。遺伝子検査のほかにも人間ドックを2年から1年に1回の頻度で受診し、リスクの低減に努めていただきたいと思います。

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