健康診断は医療費控除の対象になるのか。人間ドックは?

コラム

人間ドックは高度な技術を用いた検査で重大疾患の早期発見を可能にします。検査費用は自己負担になりますが、場合によっては医療控除を受けられるので、病気の不安がある方は定期的に受診するようにしましょう。
控除対象となった時の手続きについてご紹介します。

人間ドックの費用を控除申請する手続き

一般に健康診断は医療費控除の対象にならないと言われています。というのも、健康保険組合に所属している場合の健康診断は無料ですし、病気の兆候がない健康な人物であれば治療とみなされないからです。
しかし、例外として健康診断と再検査、その後の人間ドックまで含めて医療費控除の対象になるケースがあります。
どのような条件で初期検査から本格的な人間ドックまで医療費控除の対象になるのか、また、医療費控除を申請するためにどのような書類が必要なのかご紹介しましょう。

健康診断から人間ドックまで医療費控除になる条件

・健康診断が医療費控除の対象にならないケース
健康診断もまた基礎的な検査です。これが医療費控除になるかならないかは、非常に解りやすい条件によって見分けられます。
健康診断で異常が見つからず再検査を指示されなかった場合。また、再検査を指示され、受診しても異常が見つからなかった場合。あるいは再検査からさらに人間ドックに進んで異常が見つからなかった場合。指示に従って再検査や人間ドックまで進んだのだとしても、いずれも医療費控除の対象になりません。

・指示を受けて人間ドックで異常が見つかったケース
健康診断で何らかの異常が見つかり、再検査から人間ドックに進み、そこで病気の診断が確定した場合、そのまま治療を開始するならば、健康診断から人間ドックまですべて医療費控除の対象になります。
確定した病気の治療行為と見なされるためです。
つまり、病院で受ける検査が医療費控除の対象になるかどうかは「病気」の有無にかかっていると考えていいでしょう。

医療費控除の対象になる費用と申請に必要な書類

・医療費控除の対象になる費用の種類
人間ドックまで進んで病名の確定診断を受けた場合、健康診断、再検査、人間ドックの費用、入院費、公共交通機関の利用料金など、治療にまつわるすべての費用が医療費控除の対象になります。
例えば自宅から病院までタクシーを使わなければならなかった場合など、タクシー料金も経費として医療費控除の対象に含まれるのです。ただし、その必要性が認められる限りは、という条件が付きます。

・医療費控除の申請に必要な書類
「給与所得の源泉徴収票」「病院から受け取った領収証」「診察券のコピー」「医療費控除の内訳書」「治療を受けるためにかかった交通費の領収証、もしくは証明書に該当する書類」などを用意しましょう。
その年に申請できるのは「既に支払った料金」のみ。もしそれ以降も治療が続くようでしたら、控除申請のタイミングで費用を区切って記録を付けるようにしてください。

全額自費負担になっても人間ドックが必要な場合がある

検査の結果、健康体であると診断されれば健康診断も人間ドックも自費負担になります。健康診断は企業で費用を負担してくれることがほとんどだと思いますが、扶養家族の検査や、異常が見つからない方の人間ドックについてはその範囲に含まれません。
それでもなお、専門的な人間ドックが必要な場合があります。
例えば親族にがん患者が多い方や、遺伝的に糖尿病や腎臓病になりやすい方については、健康診断では早期発見ができないのです。どのような病気であれ早期発見こそ生き残る最大の秘訣ですから、より確実な成果を得られる人間ドックを定期的に受診すれば、最終的に医療費の節約にもつながるはず。
今や2人に1人ががんになる時代ですから、「自分は大丈夫」という思い込みを捨てて人間ドックの必要性を検討することをおすすめします。

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