保険が適用されるのはどこまで? アレルギー検査の種類

コラム

アレルギー疾患の有無や、原因物質を特定するためのアレルギー検査には主に3つの種類「血液検査」「皮膚検査」「負荷試験」があります。保険が適用されるかどうかで費用の自己負担額が大きく異なりますので、検査に備えてぜひ保険適用範囲を認識しておいてください。

保険適用内の検査と条件

・保険が適用されるアレルギー検査
「血液検査(スクリーニング)」はあらゆる病気を調べるために行う基本検査で、アレルギー検査に対しても最も初歩的なものです。
検査するアレルギー物質の項目は必要に応じて選べますが、項目は無限に増やせるわけではないので、問診の段階で調べるべき物質にある程度目星をつけて臨みましょう。健康保険の対象として実施する場合の上限は13項目です。ただし、優先的な項目33項目に関しては「MAST33」というセットで33種類を。「Viewアレルギー36」では36項目を一度に行えます。
「皮膚検査」もまた健康保険が適用されます。やはり物質ごとに反応を見る検査なので、項目の選定が重要です

・保険が適用される条件
血液検査も皮膚検査も、アレルギー反応が起こっていない状況では全額自己負担となります。本人にアレルギー症状の自覚がある場合にのみ、保険適用内として扱われます。
治療のために必要な行為であるかどうか、この点が保険適用の鍵なのです。

■人間ドックでは入院を伴うアレルギー検査もある

・食物負荷試験、除去試験
入院を伴うケースとして、アレルギーの原因となる食物をあえて食べる試験があります。症状のレベルによっては危険が大きいので、常に医師の観察が必要です。こちらは保険が適用されません。入院費と合わせて本人負担が大きくなりますが、日常生活から危険を除去する目的で実施するものとしては最も効果が期待できる検査と言えるでしょう。

・呼吸機能検査
負荷試験の一種で、アレルゲンに対する呼吸器系の反応を観察する「呼吸機能検査」があります。気管支・肺の状態を肺活量や炎症反応などから見分けるため、あえて反応が起きるのを待つのです。患者の身体的負担が大きいので、低年齢層では利用できません。また、喘息等の病気や、手術などの予定がない方の場合は保険適用外となります。

・組み合わせ検査
人間ドックでもアレルギー検査の基本は血液検査(スクリーニング)です。そのほかの検査、試験は組み合わせになるので、アレルギー反応がどのように起こるか、そのタイプによって必要な項目を選びます。
通常の健康診断などでは一般的な項目しか調べられません。保険適用外の検査も当然実施できないので、もしもアレルギー疾患の可能性や症状に気づいたならば、あらゆる検査を組み合わせて活用できる人間ドックを受けることをおすすめします。

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