日本人の健康を脅かすCOPD(慢性閉塞性肺疾患)ってどんな病気?

コラム

現代日本の一般的な生活にはさまざまな健康リスクが潜んでいます。
最も大きいと言われるひとつが「喫煙」です。
喫煙はCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を引き起こす要因として有名ですが、非喫煙者でもCOPDを発症するリスクはあります。
疾患名ばかりが普及しつつありますが、残念ながら発症要因などの情報まではまだまだ普及が十分とは言えません。

COPDとは、呼吸に障害を与える肺の炎症疾患の名称です。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因とは


・生活習慣
原因として生活習慣に分類される代表的なものが「喫煙」です。

・環境
大気汚染や粉塵など、空気中の不純物が肺に炎症を起こす原因となります。呼吸に従って肺に沈着するためです。

・先天的因子
遺伝子の異常によって肺疾患が現れるケースも考えられます。

・老化
肺は老化によって劣化します。加齢によって肺疾患リスクは上昇するので、誰でも肺疾患の可能性は秘めていると考えたほうがいいでしょう。

日本におけるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の死亡率

・日本人のCOPD死亡率
日本人の死亡要因第一位は1980年から変わらず悪性新生物が独走しています。ただ、近年それに追いすがる勢いで医療費を圧迫しているのが肺疾患、主にCOPDなのです。
政府発表の人口動態調査によると、2008年の日本人におけるCOPD死亡者数は15,520人。これは糖尿病を上回る数値です。
その後2014年にはCOPDによる死亡者数は、日本人全体の死亡順位からすると10位にとどまっていますが、COPDから派生した心不全、肺炎などに記録が分散しているため、実態はもっと大きな数字なのではないかと言われています。

・COPDの有病率について
2008年時点のCOPDによる受療者は22万人を数えました。治療を受けていない発症者も多く、推定500万人以上とされています。これは2001年に行われた肺機能にまつわる大規模疫学調査に基づく推測値です。

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OPD(慢性閉塞性肺疾患)の検査は人間ドックで

・臨床所見
COPDの診断は順を追って進みます。まずは臨床所見によって予備診断を行い、COPDが疑われるようなら次の画像診断へ。

・画像診断
胸部エックス線検査、CT検査が基本です。さらに詳しく肺機能を確認するには高分解能CT(HRCT)やヘリカルCTなどを取り入れる方法もあります。

・呼吸機能検査
COPDの検査ではスパイロ検査を行います。スパイロメーターという機器で肺活量および通気性を確認する方法です。調べる項目は「肺活量」「努力性肺活量」「1秒率」など。

COPD専門の診断を行うには通常の健康診断では不十分です。慢性的な疲労や違和感、息苦しさがあるようならば、検査項目を個々人に合わせて選択できる人間ドックを受ける必要があります。

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