息苦しい?呼吸器の異常を調べる呼吸器ドックとは?

コラム

「最近たまに息苦しくなる」「呼吸しにくい」と思うことがある場合は注意が必要です。
呼吸器の不調は体全体にも大きな影響を及ぼすため、異常があれば早めの検査でその原因を突き止める必要があります。
今回は呼吸器疾患の種類と、人間ドックの中でも呼吸器のみを重点的に検査する「呼吸器ドック」について詳しくご説明します。

呼吸器疾患の種類

呼吸器の異常は風邪などと勘違いすることが多いためつい見逃してしまいがちですが、場合によっては以下のような重篤な病気が潜んでいることもあります。

○肺がん

初期の肺がんは症状が現れにくく気づきにくいため、下記のような症状があったら一度病院で検査を受けましょう。

・一ヶ月以上空咳が続く
・少し動いただけで息切れを感じて呼吸が苦しくなる
・咳、痰、が増える。たまに血痰が出る
・胸の痛みが持続して呼吸が苦しくなることがある

○COPD(慢性閉塞性肺疾患)

慢性閉塞性肺疾患は、タバコの煙などの有害物質を長期に吸入したことで生じる肺の炎症性疾患で、喫煙習慣のある中高年に多く発症する生活習慣病となっています。

・階段を登るなどすると息切れを感じる
・慢性の咳と痰が続く
・喘鳴のような発作がある

○肺気腫

気管支の先にある「肺胞」が壊れて呼吸機能の効率が悪化し、体に必要な酸素を取り入れるのが非常に困難となるという、とても怖い病気です。

・息切れや咳、痰が増える
・歩くだけでも呼吸が辛い
・少し動くとドキドキする

○睡眠時無呼吸症候群

寝ている時に呼吸が止まってしまうのが睡眠時無呼吸症候群です。
空気の通り道である上気道が物理的に狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸タイプ」と呼吸中枢の異常による「中枢性睡眠時無呼吸タイプ」があります。

・いびきの後に呼吸が止まる
・寝ている時に呼吸が乱れて息苦しい
・何度も目が覚める
・朝起きると口が渇いている
・熟睡感がなく、すっきり起きられない
・仕事中に強い眠気やだるさ、倦怠感がある
・いつも疲れている

呼吸器に異常が起こると体にさまざまな悪影響を及ぼし、場合によっては命にも関わることがあります。
呼吸の異常の原因がよく分からない場合は、速やかに受診することをお勧めします。

呼吸器ドックで異常を見つける

先ほど紹介したような病気とその症状が気になる方は、人間ドックの中でも呼吸器を重点的に検査する「呼吸器ドック」を受けておくと、呼吸の乱れや息苦しさを引き起こす原因を突き止めることができるかもしれません。
呼吸器疾患を患うと高齢になってからが特に大変なので、早期発見・早期治療がとても大切です。

○呼吸器ドックの内容

・呼吸機能検査
肺活量、1秒率、呼気流量などの肺機能全般について細かく検査します。

・胸部ヘリカルCT検査
胸部CTスキャンをらせん状に連続して撮影し、肺に小さな病変がないか調べます。

・睡眠時無呼吸症候群
検査機器を自宅に持ち帰り、手首と指に酸素飽和度モニタを装着して一晩寝ることで、睡眠時の呼吸状態を調べることができます。
検査終了後に医療機関に機械を返送して結果を判定してもらいます。

・喀痰細胞検査
喀痰を採取し、肺がん細胞などの検出検査をします。
結果が出るまでには数日を要します。

呼吸器ドックを受けるには?

呼吸器ドックは人間ドックと同じように、多くの病院で受けることができます。
ただしあまり小規模な病院だと、呼吸器ドックのような一部を重点的に検査する人間ドックを実施していないところもあるかもしれません。
まずは、お近くの病院に呼吸器ドックを実施しているところがあるか確認してみることから始めてみましょう。

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